アンドレ・プレヴィンがピアノを弾きながらジョージ・ガーシュウィンの「ヘ調の協奏曲」を振った。 NHKホールでそれを聴いた私は大いに感動した。その興奮の理由をあれこれ考えて綴ったのが以下の極私的感想である。 《『アメリカ交
本文を読む評論・紹介・意見の執筆一覧
福竜丸平和協会に「焼津平和賞」 -背景に焼津市民の意識変化か-
著者: 岩垂 弘わが日本は、政治、外交、経済、福祉、教育など基幹的な面で「劣化」や「退化」が進んでいるのではないか。そう思わせる出来事が跡を絶たない。まさに暗い気持ちになることが多すぎるが、「それでも、世の中、少しずつ進んでいる面もあ
本文を読む周回遅れの読書報告(その7)
著者: 脇野町善造この報告の(その1)に日本経済新聞を読まなくなったこと、それと同時に読む本も古い本が多くなったことを書いた。それは読み手である私が「古い人間」となりつつあることを意味している。しかし、古い本には新しい本にはない楽しみも
本文を読む大山鳴動の背後で進行しているもの
著者: 三上 治時折、新聞には重大なことが小さな囲み記事で報道されることがある。だから割と丁寧に新聞は読んでいる方だが先頃のアジア太平洋経済協力会議(APEC)でいえば「警備中の警官がトイレに拳銃を置き忘れた」というのがあった。テロ対
本文を読む沖縄県知事選の陰で
著者: 海の大人一 本日アップされた加藤哲郎先生の〈情報戦の時代に適応できない菅政権〉という文章はまだ読めていません。しかし、安東次郎さんの〈「陰謀」の時代〉という文章は読みましたし、これから、いわゆる「陰謀論」とは一線を画した、情報戦
本文を読むアメリカの地方にはびこる反知性主義 -共和党を勝たせた根底にあるもの-
著者: 伊藤力司先日のアメリカ中間選挙で、オバマ民主党が「歴史的敗北」を喫したことを巡って多くの論評が既に発表されている。草の根保守派「ティーパーティー」旋風を背に受けた共和党の躍進の主な原因は、多額の公的資金を投入したオバマ政権の景気
本文を読む思想・信条の自由なのか、あるいは利敵行為に当たるのか?
著者: 岩田昌征ポリティカ紙(2010年11月3日、水)に「検察はティラナ集会の証拠を収集中」なる記事が出た。尖閣諸島の日本領海侵犯問題との関連で興味深いので要約紹介しておこう。 南セルビアのアルバニア人が多数住むプレシェヴォとブヤノヴ
本文を読む頭も尻も出してしまえばいいではないか
著者: 三上 治「頭は隠したがるが尻は出したがっている」なんて文句をひねっている間にさっさとケツを捲くられてしまった。例の映像の流出である。こんなのどうという事ではない。いつの間にか、いろいろ枝葉が競り出してきて面白可笑しく論じているう
本文を読む日本人にも通貨失権が感じられ始めます
著者: 海の大人3日前、私の実感では2日前、ニューヨーク金先物取引で1トロイオンス1400ドルがついに突破され、5日前から日本も金先物価格がほぼ棒上げとなり、昨日(11月11日昼)、5月につけたたぶん3728円の最高値を大きく超えました
本文を読む「茶会旋風」なんて茶化しているのではないが(一)~(三)
著者: 三上治「茶会旋風」なんて茶化しているのではないが(三) 11月10日 アメリカ社会の衰退ということには多くの見解があると思うが、僕はそれが基本的に進行していると認識している。今回のアメリカの中間選挙の根底にはそれがあったのだ
本文を読む松本幸四郎と新垣勉の沖縄 ―私のメディア論(5)―
著者: 半澤健市《女子大生から幸四郎へのファンレター》 歌舞伎俳優松本幸四郎(九代目)に沖縄の女子大生からファンレターが届いたのは2004年夏のことであった。「ゴーヤマン」のイラストがある絵はがきに丁寧な文字がびっしり書き込まれていた。
本文を読む池子米軍住宅追加建設は基地の強化と池子の森の破壊に他ならない!
著者: 中森圭子池子の森が米軍住宅に! 在日米軍基地「池子住宅地区および海軍補助施設」は、逗子市と横浜市にまたがる自然豊かな池子の森を占有している。この池子の森へ米軍家族住宅の建設計画が始まったのは1982年、逗子市民を始め全国に
本文を読む周回遅れの読書報告(その6)
著者: 脇野町善造民主党の高速道路政策がフラフラしている。フラフラしているのは、高速道路政策に限るわけではないが、高速道路については振幅が大き過ぎる。『文藝春秋』の2010年6月号に猪瀬直樹が「小沢の狙いは道路公団の復活だ」という批判記
本文を読む「陰謀」の時代
著者: 安東次郎都合よく「陰謀」に気付く 今年の2月、「小沢に対する検察の捜査とマスコミの報道は政治的な意図をもったものだ」という趣旨の発言をしたら、そんな考えは「陰謀論」だと言われた。(注1) ところが、今回中国の漁船が巡視船に衝突す
本文を読む革命の組織論 歴史と宗教に学ぶ ④続・誰がユダヤ人か。ナチスの規定
著者: 浅川 修史誰がユダヤ人か。ユダヤ教の規定の次に歴史的な影響を与えたのはナチス(国民社会主義ドイツ労働者党)のユダヤ人規定だ。フランス革命でユダヤ人が解放されるまでのヨーロッパでは、ユダヤ教徒すなわちユダヤ人だった。だが、ユダヤ人に
本文を読むNHKは反中、反ロシア扇動に偏るな
著者: 坂井定雄11月6日(土)朝7時台のNHKメイン・ニュース。尖閣諸島事件ビデオ流出問題の報道で、岡本行夫氏を登場させ、どぎつい反中国、反ロシア、菅政権攻撃の発言をさせた。NHKにも報道の自由はあるし、岡本氏にも発言の自由はある。し
本文を読む周回遅れの読書報告(その5)
著者: 脇野町善造前回に続き、物置に放置しておいてネズミがかじり残した古い本の話。ネズミがかじったのはハードカバーの本が比較的多かった。製本に使われている糊をかじったからであろう。ただ、一番ひどくかじられていたのはハードカバーの本ではな
本文を読む嘘だらけ、米国側の負担増額要求 ―在日米軍駐留経費の全容解明を!
著者: 坂井定雄米軍駐留経費の減額を求めていた日本政府に対し、米側は削減に抵抗するどころか「環境対策費」を新設して、逆に増額を要求してきた。米軍が破壊し続けてきた沖縄の海と生活環境を改善するのかと一瞬思ったが、そうではない。読まれた方
本文を読む私たちは自身が鼓舞される言葉をもっているだろうか -あるリサイタルの会場で考えたこと-
著者: 岩垂 弘一夕のリサイタルが、私を50数年前に引き戻した。そして、そこで朗読された一編の詩が、私に「言葉」についての考察を促した。 そのリサイタルは10月14日夜、東京・上野の東京文化会館小ホールで開かれた「坂本朱リサイタル」
本文を読む民族主義者の台頭の意味するものは何か?ヨーロッパ社会の真実とは?
著者: 岩田昌征今年の8月12‐13日に、新(真)民族派団体、一水会がヨーロッパ諸国(ポルトガル、スペイン、フランス、オーストリー、ハンガリーなど)の民族主義団体の有力メンバーを招いて東京で国際会議を開いた。大和左彦を自称する私も縁あっ
本文を読む11/13 現代史研究会 テーマ「徹底検証 21世紀の全技術」
著者: 現代史研究会現代技術史研究会からの呼びかけ 2010年10月、藤原書店より「徹底検証 21世紀の全技術」(現代技術史研究会編)を刊行いたしました。 現代技術史研究会は、産業社会の諸問題、環境・公害問題、技術者の変遷といった、必ずし
本文を読む周回遅れの読書報告(その4)
著者: 脇野町善造初版本とか署名本とかの稀覯本というものにほとんど興味はない。中身が分かればそれで充分だと考えている。初版で読もうが、全集や文庫本で読もうが、何も差はないと思っていた。しかし、それはどうも違うのではないかと、ごく最近思う
本文を読む原民喜の足跡を知りたくて~『三田文学』創刊100年展を観る~
著者: 醍醐 聡秋晴れの三田キャンパスでの講義のあとで 退職後の今年も特別招聘教授といういかめしい肩書きで慶応義塾商学研究科・会計職コースの「現代会計論」(秋学期・半年開講)担当の非常勤講師として週一回出講している。10月27日は5回
本文を読む裁判員制度と良心的拒否
著者: 宇井 宙前回の拙稿「裁判員裁判と死刑」における私の主張、すなわち、「死刑制度に反対であるとか、人を裁きたくないなどの理由で、どうしても裁判員になりたくない人は……合法・非合法のあらゆる手段を使って、裁判員に選ばれるのを回避すれ
本文を読む誘拐犯の軍閥はカルザイ政権の有力者 -常岡さんがアフガンの複雑な内情を手記に-
著者: 伊藤力司アフガニスタンで取材中武装勢力に拉致され、5カ月にわたって監禁された後解放され、9月初め無事帰国したフリー・ジャーナリストの常岡浩介さん。その常岡さんが近刊のフォトジャーナリズム月刊誌「デイズ・ジャパン(DAYS JAP
本文を読むノーベル平和賞が中国人の民主化運動の活動家へ授与された件について思う
著者: 細田二郎ノーベル平和賞委員会によるノーベル平和賞授与における候補者選定に関しては、従来から私は疑念を抱いてきた。平和の問題、とくに世界平和の問題に関しては、特定のイデオロギーの立場に立つ人は除外さるべきではないかという論点であ
本文を読む裁判員裁判と死刑
著者: 宇井 宙裁判員制度が施行されてから1年5カ月余りの時を経て、ようやく、というか、ついに、市民が市民に対して死刑を宣告するか否かの判断を迫られるときがやってきた。 日本では市民の大多数が死刑制度に賛成していると言われるが、その
本文を読む街の中で生まれている政治的動きから
著者: 三上治10月26日 季節は確実にめぐってくる。それは僕らにとって救いのようなところがある。紅葉の美しい季節になって、温泉でも行こうかというのが家人とよくする話だが実際はなかなか難しい。週末はお互いに忙しいからだが僕はあちらこ
本文を読む文学渉猟:1848年革命期前後のイギリスの通俗小説
著者: 合澤 清『ディケンズ短篇集』 チャールズ・ディケンズ作 小池滋、石塚裕子訳(岩波文庫1986) 僕は以前からディケンズの小説はあまり好きではない。読み終わって、それほど愉快な気持ちになったという思いもない。ずいぶん昔に読んだと思
本文を読む文献紹介 -技術者の声- 現代技術史研究会編『徹底検証 21世紀の全技術』
著者: 木村英亮チリ鉱山落盤事故で33人が救出されたのはよいニュースであったが、その後この鉱山は操業停止となり、361人ほとんどの作業員は退職金もなく解雇されたと報道されている(『朝日新聞』10月19日付夕刊)。本書によれば、チリの
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