去年ある大学で国際研究集会があって、若い日本人研究者が近代的人権概念Human Rightが中世後期までさかのぼれると報告した。中国人学者も参加していたので、中国においてもHuman Rightの訳語が「人権」であること
本文を読む評論・紹介・意見の執筆一覧
日の丸とエジプト国旗 ―「朝まで生テレビ」と「タハリール広場」の生中継―
著者: 半澤健市《東京高裁判決を論じた朝ナマ》 2011年2月5日(土)の「朝まで生テレビ」(テレビ朝日)のタイトルは「激論!日本は本当にダメな国家なのか?!」であった。参加者は司会の田原総一朗ら下記13名の「論客」である。 ・大塚耕平
本文を読む「日本国家主義」の克服を 尖閣諸島問題再論
著者: 伊藤成彦1.尖閣諸島領有を1885年に断念した経緯 尖閣諸島問題をめぐって、国会でもマスコミでも、中国敵視の「日本国家主義」が依然として燃え盛っている。おそらくこういう異様な光景は、1972年の日中国交正常化以来初めてのこ
本文を読む東アジア平和共同体をどのように創るか 尖閣諸島をめぐる紛争の経験から
著者: 伊藤成彦1.尖閣諸島紛争の発端 *「2010年 9月 7日午前10時15分頃 尖閣諸島久場島付近で海上保安庁の巡視船『よなくに』(1349トン) に中国のトロール船 (166トン) が接触、その漁船は40分後に巡視船『みずき
本文を読むエジプト民衆の行動が想起させる記憶と現在
著者: 三上 治あれは中学三年生の時だった。エジフトのナセル大統領のイギリスやフランスに対する戦争が伝えられた。また、ハンガリーではソ連軍の侵入に対する民衆の抵抗が報じられた。スエズ動乱とかハンガリー暴動というような言葉であったように
本文を読む「連帯」その後のトピックス
著者: 岩田昌征2月6日、突然ポーランド人の友人が一冊の本を送ってきた。それはリシャルド・ブガイの自伝『自分自身と他の人々について』(The Facto、ワルシャワ、2010年)であった。ブガイはワルシャワ大学経済学部出身で、1980年
本文を読むアラブ世界の構造について ① 世俗派とイスラーム復興
著者: 浅川 修史1 1967年にはナセルを支持した民衆、現在となにが違うのか 1967年の第3次中東戦争でエジプトはイスラエルに惨敗する。ナセル・エジプト大統領は責任をとって辞任を表明した。「ナセル辞めるな」。大規模な民衆デモがナ
本文を読む進藤大尉のこと
著者: 宇波彰2010年の12月に初めて鹿児島を訪れた。指宿温泉に泊まったが、旅館の砂風呂は海岸の砂浜での砂風呂ではなく、人工的なものであった。熱した砂を係のひとたちがかぶせてくれるのだが、熱しすぎた砂だったのでかかとのあたりが火傷に
本文を読む今、日本の政治に問われているものは何か(七)、(六)、・・・(壱)
著者: 三上 治今、日本の政治に問われているものは何か(七) 2月10日 『名古屋発どえりゃあ革命!』という本がある。河村たかしが選挙向けに緊急に出したものである。革命かどうか
本文を読む映画「ソーシャル・ネットワーク」とビルダーバーグ会議
著者: 中田安彦アルルの男・ヒロシです。ますますこのブログを更新しなくなった今日この頃ですがいかがお過ごしですか? 今日はハリウッド映画「ソーシャル・ネットワーク」を見た。この映画は世界権力者やパワーエリート研究の視点から見るときわめて
本文を読む恐帰族 帰るのよそうかな―変わる旧正月の帰省風景 こんな「言葉」が!(51) 中国で
著者: 丹藤佳紀今年は辛卯(かのとう)の年、2月3日が春節(旧正月)元日だった。中国では春節が一年で最大の祝祭で、今年はこの日を含めて1週間が公休となった。新聞やテレビでは、1月末~2月1、2日、列車で帰省する乗客の長蛇の列が例年とほぼ
本文を読む「中立性」という反動イデオロギー
著者: 宇井 宙昨年暮れ、憲法学者の小林直樹氏が40年以上前に書かれた論説「政治的中立ということ――教育と裁判への政治侵入――」(『世界』1970年9月号)を読む機会があった(「「司法の危機」から40年」https://chikyuz
本文を読むTPP交渉に「反対」「慎重」意見が強まる -共同通信、しんぶん赤旗の調査から-
著者: 岩垂 弘菅首相は1月29日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で講演し、環太平洋経済協定(TPP)について「今年6月をめどに交渉参加に関する結論を出す」と改めて表明したが、農業が盛んな地域を中心にTPP交渉参加に反対する
本文を読む「権」と「利」と「理」――権利の3要素
著者: 宇井 宙はじめに 遅ればせながら、松野町夫氏の「権利と right -権利は「権理」としたほうがよい-」を拝読しました。私は20年ほど前、大学のある授業で、「「権利」という訳語は「権理」と訳すべきだった」という話を聞いたことが
本文を読む周回遅れの読書報告(番外その3)
著者: 脇野町善造大学で理科系の教育を受けた(したがって経済学を専攻しなかった)経済研究者は決して少なくない。古くはヒルファディングがそうであるし、ケインズに先立って有効需要の原理を論証したとされるポーランドのカレツキもそうだった。これは
本文を読む書評 星紀市編「写真集 米軍基地を返還させた砂川闘争」
著者: 塩川喜信「写真集 砂川闘争」(ヤマス文房発行、2,500円)が刊行された。編者の星紀市さんは島田清作さんなどと共に、「砂川を記録する会」で永年活動を続けられ、1996年に「写真集 砂川闘争の記録」(ケヤキ出版)、2002年にDV
本文を読むエジプト「革命」でイスラエルは四面楚歌へ フツペ(ごうまんさ)を見直すとき
著者: 浅川修史中世、欧州のユダヤ人が使用した共通言語がイディッシュ語である。日本人にもおなじみのミュージカル&映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」のユダヤ人家族が使用していた言語、カール・マルクスの母親が家庭で使用していた言語ということ
本文を読む中国との付き合い方はこれでいいのか ―チベット高原の一隅にて(100)―
著者: 阿部治平半年ぶりに中国から帰国して日本のメディアに現れた中国像が自分の予想以上に悪いものになっているのに驚いた。中国批判がやたらに多い。論説や解説というよりは悪口雑言に及ぶものがある。内閣府の世論調査によると、中国に親近感を「感
本文を読む旧ユーゴスラヴィアの経験と日本のアソシエーション論
著者: 岩田昌征基礎経済科学研究所編『未来社会を展望する 甦るマルクス』(大月書店、2010年)の合評会に出席する機会があった。「よみがえる」という和語を使い、例えば「マルクスのルネサンス」のようなカタカナ語を用いていないところが気に入
本文を読む「失われた二〇年」に挑戦した力作 ―劇団民芸公演 『喜劇 ファッションショー』 を観る―
著者: 半澤健市『喜劇 ファッションショー』の作者木庭久美子は、前作『選択 一ヶ瀬典子の場合』(註)で「安楽死」をシリアスに扱ったが、今回は「マネー」を喜劇として取り上げた。 《60年代のキャリアウーマン》 主役は75歳の独身女性。ビー
本文を読む『流出「公安テロ情報」全データ』の取次販売拒否に抗議する
著者: 高須次郎『流出「公安テロ情報」全データ』の取次販売拒否に抗議する 2010年 1月31日
本文を読むオバマと「ムスリム同胞団」
著者: 安東次郎なにやら「アメリカ右派」のアジテーションのような題目だが、もちろんそんな話ではない。 エジプト情勢は日々急展開しているが、昨日の夜、二人の方からエジプト関連の話を伺った。一人は宗教問題専門家(A氏)、もう一人はエジプト人
本文を読むいわゆる「陰謀論」について
著者: 中田安彦新年明けましておめでとうございます。ツイッターフォロワーの皆様、年賀状をいただきありがとうございました。本年もよろしくお願い致します。 さて、以前にブログ読者の皆様から、お問い合わせいただきました、「陰謀論」についてです
本文を読む権利と right -権利は「権理」としたほうがよい-
著者: 松野町夫社会・個人・自由・平等・民主主義・権利・義務など思想の基本用語は現在、日本語として定着している。そして私たちの多くはそれを当然のものとみなし、何のてらいもなく使用する。あたかもごく普通の日本語であるかのように。しかしこう
本文を読む周回遅れの読書報告(その16)
著者: 脇野町善造前回の報告を続ける。ヘルマンはアメリカ人をこう評価する(訳書125頁)。 われわれ[アメリカ人──引用者]は過去を記憶に留めておこうとしない民族だ。アメリカでは、過ちを覚えているのは不健康、それについて考えるのはノイロー
本文を読む津田道夫さんの拙著『啄木と秋瑾』の書評を読んで
著者: 内田弘数日前(1月27日)、合澤清さんに教えられて、「ちきゅう座」に掲載された、作家・評論家の津田道夫さんによる拙著『啄木と秋瑾』(社会評論社、2010年11月15日刊行)に対する書評を拝読した。 津田道夫さんは、拙著の《啄木
本文を読むエッセイ:見よ君を屠る日は来ぬ…… 内田弘『啄木と秋瑾』を元日に読了す
著者: 津田道夫直接お目にかかったことはないのだが、経済学者としてその名を知っていた内田弘の啄木論を読んで(10年12月29、30,31日)、正直驚いてしまった。専門外の細かい研究をしていた事実に驚いたのではない。この三八〇頁の大冊によ
本文を読むTPPで日本はどうなる? -日本生協連が組合員向けの討議資料作成へ-
著者: 岩垂 弘日本生活協同組合連合会(山下俊史会長、組合員・2200万人)は、3月上旬までに環太平洋経済連携協定(TPP)に関する討議資料を作成し、傘下の生協組合員に提示する。菅内閣がTPP参加の検討を積極的に進める方針を打ち出した
本文を読む周回遅れの読書報告(その15)
著者: 脇野町善造一冊の本を1回で報告することを原則としているが、今回は2回に分けて報告する。どうしても紹介しておきたい文章がいくつかあるからである。 アメリカにリリアン・ヘルマンという戯曲家がいた。名の売れた戯曲家だったらしいが、私は彼
本文を読む三つの小沢一郎論 ―判官贔屓的なるもの―
著者: 半澤健市11年1月22日の『朝日新聞』に興味ある小沢一郎論が三つ載った。 一つは「天声人語」、あとの二つは「オピニオン」欄の松本健一と保阪正康による小沢論である。これには「日本史に見る小沢流」というタイトルがついている。 《先輩
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