カルチャーの執筆一覧

記録する存在としての人間    ―「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」を見て

著者: 子安宣邦

ドキュメンタリー映画「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」を京橋の試写室で見た。2007年の冬のことシカゴのアマチュア歴史家の青年が、ネガ・フィルムの一杯詰まった箱をオークションで350ドルで競り落としたことから話は始まる。

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戦後七〇年の哀しさ -書評 大沼保昭著 聞き手江川紹子『「歴史認識」とは何か―対立の構図を超えて』-

著者: 半澤健市

《居酒屋の酔客の発言でも橋下徹の発言でもない》  ■韓国や中国は、われわれに要求することを自分たちにはできるのか。日本ばかり責めるけれど、韓国にも慰安婦はいたではないか。ベトナム戦争のときに派兵された韓国軍はベトナムで一

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文学渉猟:シラノ・ド・ベルジュラックの悲劇-「人生は歩く影法師、あわれな役者だ」

著者: 合澤清

書評:『シラノ・ド・ベルジュラック』エドモン・ロスタン作 辰野隆・鈴木信太郎訳(岩波文庫) 「…消えろ、消えろ、はかない灯の光!人生は歩く影法師、あわれな役者だ。束の間の舞台の上で、身振りよろしく動き回ってはみるものの、

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