発行年月日: 2015年2月25日、 定価¥1850 慶応3年(1867)1月、ナポレオン三世は徳川幕府からの要請を受け、フランス軍事顧問団(ラ・ミッション・ミリテール)を日本に派遣した。シャノワーヌを団長とする一行15
本文を読むカルチャーの執筆一覧
名勝「小金井サクラ」と武蔵野ゆかりの文学散歩
著者: 合澤清「武蔵野」という名前から直ちに連想するのはやはり国木田独歩の『武蔵野』である。 独歩の『武蔵野』の一節に最初に触れた時の記憶は今でも割にはっきりしている。小学生だった頃手に取った漫画で、手塚治虫が描いた「赤猫」(?)とい
本文を読む錦織圭、世界ランキング4位の意味
著者: 盛田常夫3月2日発表の世界ランキングで、錦織圭選手が4位にランクインした。世界ランキングは月曜日ごとに更新され、過去52週間に獲得したポイントで決められる。ポイント持ち点が群を抜いているジョコヴィッチとフェデラーを除けば、トッ
本文を読むリベラリズムとエジプト児童文学の世界 -第四回(最終回)『お母さんは…なんでわたしのお母さんなの?』-
著者: 富澤規子第四回(最終回)『お母さんは…なんでわたしのお母さんなの?』 著者:アブドルラフマン・エルアブヌディ とりまく文化や自然環境がまったく違う言語間での翻訳が難しいケースは多々あります。アラビア語の「サムラァ」もその一つです
本文を読むリベラリズムとエジプト児童文学の世界 -第三回『タウフィーク・エルハキームの物語集』より「信者と悪魔」-
著者: 富澤規子第三回『タウフィーク・エルハキームの物語集』より「信者と悪魔」 著者:タウフィーク・エルハキーム 挿絵画家:モスタファ・ホセイン(第二回『ジュハーとスルターン』の挿絵画家) 建築の本を読んでいて面白い表現を知りました。「
本文を読むリベラリズムとエジプト児童文学の世界 第二回『ジュハーとスルターン』
著者: 富澤規子第二回『ジュハーとスルターン』 著者:アフマド・バハガット 挿絵画家:モスタファ・ホセイン エジプト児童文学の世界を語る時、アフマド・バハガットを抜きにすることはできません。アフマド・バハガットは1932年生まれ、カイ
本文を読むリベラリズムとエジプト児童文学の世界 第一回『スズメ達の革命』
著者: 富澤規子(富澤さんの紹介:坂井定雄) アラビア語翻訳者の富澤規子さんが、エジプト児童文学と作家たちについて、寄稿してくれました。これから4回に分けて、寄稿を紹介します。 富澤さんは2009年から5年間、エジプト・カイロの文化
本文を読む東京ステーションホテル
著者: 鎌倉矩子―平成おうなつれづれ草(8)― 昨年の12月20日。その日は東京駅開業100周年に当たるのだそうで、記念に売り出されたSUICAを求めて人々が殺到し、さばき切れなくなったJR当局が発売を中止するという騒動があった。なるほ
本文を読む書名『死に支度』
著者: 雨宮由希夫著者 瀬戸内寂聴 発売 講談社 発行年月日 2014年10月30日 定価 ¥1400 この私小説的長編小説の主人公は91歳の誕生日を目前にして、夜も眠らず年がら年中仕事に追いまくられている女性
本文を読む2つの議論から (1)日本浪漫派の復活とファシズムの源流(演歌・メロドラマの涙にぬれる日本翼賛文化) (2)ニュークリア・リプラス:英国流「原子力再興」と「核の後始末」
著者: 田中一郎この土日で目を通した2つの議論をご紹介申し上げます。いずれも注目すべき興味深い内容の議論です。 1.日本浪漫派の復活とファシズムの源流(辺見庸・佐高信 『絶望という抵抗』の第4章) http://www.e
本文を読む『忘却に抵抗するドイツ―歴史教育から「記憶の文化」へ』(岡裕人著、2012年、大月書店)
著者: 小澤俊夫メール通信「昔あったづもな」第29号 都合の悪い過去を消しさろうとあがく日本と、強制収容所などを保存し、公開しているドイツとの違いは、ぼくにとって大きな問題なのだが、この本は、ずばりその問題を在独20年の日本人歴史学者
本文を読む書評 『日本史 ほんとうの偉人列伝』
著者: 雨宮由希夫岳 真也 著 『日本史 ほんとうの偉人列伝』 みやび出版 ¥2000 人生の上で心 通わせることの出来る知友を幾人持つことができるかが人の幸せをはかる目安となろうが、歴史時代小説の読者にとっては、心惹かれた歴史上の人物を
本文を読む書評 近藤誠氏のがん治療関連著作
著者: 盛田常夫近藤 誠著『抗がん剤は効かない』(文芸春秋、2011年)、同『がん治療で殺されない七つの秘訣』(文春新書、2013年)、同『がんより怖いがん治療』(小学館、2014年) 1990年代初頭から現代のがん治療にたいする疑念表
本文を読む書評 山﨑正純・著『丸山眞男と文学の光景』洋々社
著者: 阿部浪子1946年、「超国家主義の論理と心理」を発表して論壇に衝撃をあたえた丸山眞男は、民主主義の啓蒙運動の一翼をになうことになった。その丸山言説をふまえつつ日本の近代文学をたんねんに検証するのは、四十代の著者、山﨑正純氏であ
本文を読む書評 海老坂武・著『戦後文学は生きている』
著者: 阿部浪子海老坂武・著『戦後文学は生きている』講談社現代新書 戦後文学の名著からは、人間のせつない声が聞こえてくる。人生に真剣に向きあう姿も見えてくる。1945年、小学5年生だった著者の海老坂武氏は、長じて読書したその感想に現在
本文を読む盛り上がった班忠義監督を迎えて「ガイサンシー」上映会・「ベルリンの空気」に触れて越える歴史の壁
著者: 梶村太一郎少し報告が遅くなりましたが、→先に予告しましたように11月14日、ベルリンで班忠義監督を迎えた映画『ガイサンシーとその姉妹たち』の上映会が行われました。 緊急に準備し、予告は一週間前になりましたが30名を越える参加があり
本文を読む「健さん」論はステレオタイプに収斂する ―高倉健追悼―
著者: 半澤健市以下は、以前に私が小さな同人誌に書いた日本映画『ホタル』(2001年)評である(***線の中に示す)。 **************************************** 『ホタル』―感傷至上主義の「傑作」
本文を読む書評『冬を待つ城』 安部龍太郎 著
著者: 雨宮由希夫九戸政実の乱とは今から約400年前、天正19年(1591)3月、南部氏一族の有力者で南部家の重臣九戸(くのへ)政(まさ)実(ざね)が、南部家当主南部(なんぶ)信(のぶ)直(なお)および豊臣秀吉に対して起こした反乱である
本文を読む市民の手で夜空に消えた「光の境界」:ベルリンの壁崩壊25周年記念行事写真報告
著者: 梶村太一郎*写真の数がかなり大量にありましたので、適宜省略させて頂きました。(編集部) 読者のみなさま、日本のメディアもかなり報道していますが、11月9日はベルリンの壁が崩壊してちょうど25年の記念日でした。したがって節目の今年は
本文を読む番外:ベルリンの秋
著者: 梶村太一郎このブログでは、いつも深刻で固苦しい報告しかできません。 そこで、読者のみなさまに、ベルリン都心の秋の風景を見ていただきます。これは先週末の非常に好天のティアガルテンの散歩時の落葉が始まった写真です。 昨日から天気も悪
本文を読むベルリン情報:講演のお知らせと、書店の後継ぎ募集、そして美味い牛丼
著者: 梶村太一郎ベルリン関係のお知らせを三つほど、 間もなくですが、来週10月19日(日)18時からベルリンで、チェルノブイリとフクシマの広範な影響についてご存知のプルッークバイル博士の講演会があります。かなり専門的な内容となるでしょう
本文を読む書評 『海松』稲葉真弓・著 新潮社・刊
著者: 阿部浪子鳥の鳴き声が聞こえはじめると、彼女は、沼に行きたくてうずうずする。沼は、都心のマンション暮らしを長年つづけてきた女が夢見るものすべてを、もたらしてくれたという。収録の「光の沼」は、2008年度の川端康成文学賞を受賞した
本文を読む書評 「近代の超克」論議
著者: 宮内広利太平洋戦争の開始からほぼ1年たった昭和17年9月、雑誌『文学界』に『近代の超克』と銘打たれたシンポジウムが掲載された。この「近代の超克」という言葉は、それ以後、知識人をとらえ、シンボルとして使われるようになる。保田与重郎
本文を読むドイツ徒然(その4)-ドイツ小旅行(2)
著者: 合澤 清このところドイツはめっきり涼しくなってきた、というよりは寒いぐらいだ。日本のまだ残暑きびしい(しかも非常に蒸し暑い)この時期からは想像できない。そしてわれわれのドイツ滞在も、間もなく幕切れを迎える。 毎年、ドイツでやるべ
本文を読む書評 倫理と支配の根拠
著者: 宮内広利わたしたちのかつての共同体の倫理は、ときに軋みや異和を発して、ともすれば、なだらかな発生の神話をつき崩そうとする。『古事記』神話の中ではじめて「罪」という概念が登場するのは、スサノオが高天原(タカマガハラ)から二度の追放
本文を読む元東芝エンジニアによる脱原発論 ー書評 小倉志郎著『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社)ー
著者: 半澤健市《頭が真っ白になったエンジニア》 2011年3月11日の午後、一人の元エンジニアが都内中央区立月島社会教育会館で平和運動の紙芝居を見ていた。そこへ大きな揺れがきた。東日本大震災の始まりである。当日は横浜の自宅に帰れず
本文を読むドイツ徒然(その3)-旧東ドイツへの旅
著者: 合澤 清今回はまた「ドイツ観光案内」(以前にS教授にチクリと皮肉を言われたことがありましたが)になりそうな内容ですので、その点は十分注意したいと思っていますが、はて? 1.一泊二日の小旅行-旧東ドイツの町(ノルトハウゼン、エア
本文を読む書評 概念は壊せるのだろうか
著者: 宮内広利わたしたちは、ときに、言語の沈黙と肉体の沈黙とはどちらが重いのだろうと考えることがある。これは心と言語の距離と心と肉体の距離のどちらが長いかという設問に言い換えることもできる。肉体の沈黙の方が比重や密度が大きいとしている
本文を読む文学渉猟:誘惑する者とされる者の間の危険なゲーム
著者: 合澤 清『危険な関係』上、下 ラクロ作 伊吹武彦訳(岩波文庫1998) 1.イントロダクション ごく一般的な紹介から入ってみたい。この書簡体の小説は、一人の復讐に燃える悪魔的な女性(メルトイユ侯爵夫人
本文を読む書評 『歎異抄』を読む➄
著者: 宮内広利鎌倉仏教の祖、法然の浄土門の教えは、なにより、仏門の大衆化と民主化だったとおもえる。鎌倉仏教といわれる法然以下、一遍、道元、日蓮、栄西らはだれも、多かれ少なかれ仏教の大衆化をもとめたのである。平安仏教である天台宗や真言宗
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