カルチャーの執筆一覧

書評:加藤典洋・著 「太宰と井伏―ふたつの戦後」

著者: 阿部浪子

 なぜ、『人間失格』を書いたあと太宰治は心中しているのか。20代の自殺・心中未遂事件は、生活上の不如意が原因だった。だが1948年、家庭的にも作家的にも安定していたとき、家庭の幸福こそ諸悪のもとと主張し、心中している。そ

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石川啄木と平出修、秋瑾  ―内田弘『啄木と秋瑾 – 啄木歌誕生の真実』から

著者: 安宅夏夫

はじめに 適切な糸口の特徴は、一つに具体的、簡明的確なこと、その一方で潜在的な光力をもっていることである(エーリヒ・アウエルバッハ)。 石川啄木研究は、現在「国際啄木学会」ができていて、今やグローバル化しています。研究者

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3・11で止まった町「福島の姿」写真展のご案内

著者: 永野 勇

2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所で発生した史上最悪の大事故も 発生から3年が経過し、この事故が忘れられようとしているとの指摘があります。 そこで私たちは、この福島の原発事故を風化させることなく、今後に活

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大寒に負けず、猛暑にも負けず、愉しく英気の「養生」を  ――林郁著『游日龍の道―台湾客家・游道士の養生訓―』を読む―― 

著者: 舟本恵美

タクラマカン砂漠にある日龍堆という場所は風で毎日形をかえるが、いつも龍のように見えるという。タクラマカン砂漠の前には崑崙山脈がつらなる。崑崙派道教の聖地につながる「日龍」という名を本書の主人公は祖父から命名された。道教相

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【新刊書評】 林 郁 著 『游日龍の道』 東洋書店刊 

著者: 木村聖哉(エッセイスト) 

 林郁さんの新刊「游日龍の道」のサブタイトルに「台湾客家・游道士の養生訓」とある。游日龍は台湾崑崙派道教の総師。いま91歳だが、女性や若者に大人気の老師で、法衣を着たことがなく、子どものような笑顔の人だという。  台湾「

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