スタディルームの執筆一覧

 明治維新の近代・15「支那民族運動」に正面する者 ―尾崎秀実『現代支那論』を読む

著者: 子安宣邦

「今日、抗日民族戦線運動として現われているやや畸型的な支那の民族運動は、根本的には支那社会の半植民地性、半封建性を解決してその長き歴史的な停滞性を脱却せんとする要求をもっているのである。支那民族運動の大乗的解決は、まさに

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東北フォーラムホームページNo.4 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 7

著者: 大村泉

新着情報 No.7 2019年11月22日 東北大学は、元総長を筆頭著者とする2編の論文について、『(告発で指摘された不正疑惑は)、意図して行われた行為を証明し得るだけの証拠もなかったため、研究不正があったと認定すること

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仄暗い闇の底から ―柿木伸之著『ヴァルター・ベンヤミン―闇を歩く批評』書評―

著者: 小林雅博

本書は、『ベンヤミンの言語哲学』(岩波書店、二〇一四年)につづく柿木伸之氏の二冊目の著書である。本書の狙いはつぎの一文に要約されている。「批評の言葉を生きたベンヤミンの思考の足跡―それは書のかたちで刻まれている―を、彼の

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ライク外務大臣粛清の全容(1) - ノエル・H・フィールド拉致事件 - 

著者: 盛田常夫

 東欧社会主義の成立過程で、冷戦が始まり、ユーゴスラヴィアが国際共産主義運動からの「破門」された1948年以降、ソ連共産党の指示で、各国共産党では「共産党内の敵を摘発する闘い」が始まった。1949年10月のハンガリー外相

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真正の人道は地勢と共に存在すべき――田中正造・第1部(4)

著者: 野沢敏治

3 「日本資本主義」が生んだ公害  市兵衛の革新的な経営は見事であった。だがそれが銅山に接する渡良瀬川の流域に大変な被害をもたらす(ここでは労働問題は別にしておく)。足尾町近辺から北の松木村にかけて、そして渡良瀬川の中流

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ライク・ラースロー再埋葬式 - ハンガリー動乱の引き金になった大衆的示威行動 -

著者: 盛田常夫

 1956年10月に勃発したハンガリー動乱は社会主義諸国のみならず、資本主義国の左派に大きな衝撃を与えた。左派知識人たちが得られる情報はソ連共産党が発する公式声明であり、動乱を惹き起こした背景や戦後東欧社会主義国の社会主

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真正の人道は地勢と共に存在すべき――田中正造・第1部(3)

著者: 野沢敏治

 2 『日本資本主義』の一典型  田中正造は前史をへて足尾鉱毒問題に取りかかる。彼の直接の最大の対決相手は古河市兵衛であった。市兵衛の足尾銅山は何をしたのか。銅山は後に「公害の原点」と批判されるが、どのようにしてそうなの

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真正の人道は地勢と共に存在すべき ――田中正造・第1部(2)

著者: 野沢敏治

1 田中正造が田中正造になる準備 正造が鉱毒問題にかかわるのは1891年(明治24年)の第2回議会での演説からである。その2年前に大日本帝国憲法が発布され、1年前には第1回総選挙が行われていた。正造は衆議院議員に当選し、

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11月9日・MMT(現代貨幣理論)と福祉国家/世界資本主義フォーラムのご案内

著者: 矢沢国光

※今回のフォーラムは、事前の参加申し込みが必要です (1)参加を希望される方は、フォーラム運営委員・安岡まで、①氏名、②所属、③連絡先メールアドレスまたは電話番号を明記の上、「参加希望」を、メールで申し込んでください。

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真正の人道は地勢と共に存在すべき ――田中正造・第1部(1)

著者: 野沢敏治

はじめに    「田中正造と足尾鉱毒問題」の間にあるもの 田中正造と言えば、誰でも知っている名前であろう。そして明治時代に足尾銅山の鉱毒被害の解決に献身した「義人」とイメージするだろう。逆に足尾鉱毒問題と言えば田中正造と

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明治維新の近代・14 「シナ」の消去としての近代日本 その二   ―津田左右吉『シナ思想と日本』の再読

著者: 子安宣邦

「一方に於いては文化の妨げるいろいろのじゃまものをできるだけ早く棄ててしまわねばならぬ。このじゃまもののうちには、過去に支那からうけ入れたものが少なくないのであるが、支那文字の如きはその最も大なるものである。支那文字その

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東北フォーラムホームページNo.4 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 6

著者: 大村泉

新着情報 No.6 2019年10月20日 YouTubeで以下の動画が公開されています。 ■2019年9月26日に宮城県政記者クラブで行われた記者会見の様子  東北大学元総長の研究不正再調査を求める要望書を東北大学大野

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小林敏明氏「近代の超克」新論を拝聴して /2019年10月5日 於 明治大学

著者: 渡辺恭彦

戦後、「近代の超克」という言葉がタブー視され、京都学派の哲学者も公職追放の憂き目にあうこととなった。その後、竹内好の「近代の超克」(1959)、廣松渉の『〈近代の超克〉論』(1980)が発表される。後者は、全共闘運動の世

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日本の財政は破綻しているのか、いないのか(下)

著者: 盛田常夫

国際比較の要件  社会経済比較を行う場合、国の規模や経済発展水準が類似していることが比較の条件になる。また、北欧の福祉国家のような経済社会を目指す場合には、その諸制度と実態を詳しく分析することが必要である。たまたま都合の

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海峡両岸論 第107号 2019.10.12発行 - 中国は香港に武力行使しない 依然必要な『国際金融センター』-

著者: 岡田 充

 中国が建国70周年を迎えた10月1日、大規模デモが続く香港で、警察官が高校生に実弾を発射し情勢は緊迫化した。(写真 U-TUBEから) 香港政府は5日、「緊急状況規則条例」を発動し、デモ参加者が顔をマスクで覆うのを禁じ

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東北フォーラムホームページNo.4 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 5

著者: 大村泉

新着情報 No.5 2019年9月26日   すでに本ホームページでも紹介済みのように、本年3月末に、日本金属学会欧文誌編集委員会(以下JIM編集委員会)は、井上明久東北大学元総長の3つの論文を撤回する声明を出しました。

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東北フォーラムホームページNo.4 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 4

著者: 大村泉

新着情報 No.4 2019年9月20日  井上明久東北大学元総長を筆頭著者とし、1999年に日本金属学会欧文誌(以下、JIM誌)で公表された論文(以下、JIM99論文)に関する研究不正告発を否定した、東北大学の二つの文

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明治維新の近代・13 シナの消去としての日本近代その一   ー津田左右吉『シナ思想と日本』の再読

著者: 子安宣邦

「今日の日本があらゆる点でいわゆる西洋に源を発した現代の世界文化、その特色からいうと科学文化と称すべきもの、を領略し、民族生活の全体がそれによって営まれていることは、いうまでもない。昔の日本人が書物の上の知識やいくらかの

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東北フォーラムホームページNo.4 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 3

著者: 大村泉

新着情報 No.3 2019年9月19日 大村泉、重松公司、丹生淳郷「井上明久東北大学元総長の研究不正- 日本金属学会欧文誌編集委員会は井上氏の3論文撤回を決定、注目される東北大学の対応」(『日本の科学者』2019年9月

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「8月ジャーナリズム」にみる日本人の戦争観 -ますます「被害者意識一辺倒」に -

著者: 岩垂 弘

 「8月ジャーナリズム」という言葉がある。真夏の8月を迎えると、新聞に戦争に関する記事があふれるからだ。いわば、新聞社にとっては恒例の報道活動だが、今夏は、例年になく、そうした記事が多かったように感じられた。そこでは、満

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ヘーゲル法哲学要綱(1821年)を読む  (ヘーゲル研究会レジュメ)

著者: 野上俊明

はじめに 私の問題意識と探求点:ヘーゲルの「理性による支配」とウェーバーの「合理化」の対比。ヘーゲルの理性に寄せる全幅の信頼に対し、ウェーバーの合理化概念は、ニーチェのニヒリズムをくぐり抜けているだけに、西欧文明の不可避

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海峡両岸論 第106号 2019.09.11発行 - 北朝鮮の「後ろ盾」強める中国 中朝国境の鴨緑江ルポ -

著者: 岡田 充

 「ジージー」というセミが鳴く林を通って坂を下ると、突然視界が開けた。鉄線フェンスの先2メートル程の幅の小川を挟んで広がる緑の森は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の新義州(写真「物品を朝鮮側に投げるのは厳禁」と赤字の注

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中国憲政自由主義者は自由を如何に使うのだろうか――張博樹『新全体主義の思想史』と劉暁波『08憲章』の盲点――

著者: 岩田昌征

外国大使館の旧所有者への返還・再私有化 ある研究会で何十年もチェコ史を研究している人の話を聞いた。体制転換後、国有化された私有財産の旧所有者への返還が断行された際の一つのエピソードである。プラハの日本大使公邸が元所有者に

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徹底検証/「100ミリ㏜健康影響なし説」のウソ=0~10歳集団、100ミリ㏜被曝リスク、死亡率13%=

著者: 藏田計成

はじめに 以下は読売新聞「社説」の引用である。「科学的には、100ミリ・シーベルト以下は被曝(ひばく)による健康への影響はないとされる。…放射線審議会で、国際的な考え方を改めて検討し、政府は法令に基づく明確な基準を打ち

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海峡両岸論 第105号 2019.08.18発行 - 「対中同盟」の再構築狙う新戦略 日米一体の「インド太平洋戦略」 -

著者: 岡田 充

 トランプ米政権が、米国の新アジア政策「インド太平洋戦略報告」注1(写真 米国防総省)の詳細を発表した。安倍政権も2016年、自由で開かれたインド太平洋戦略」(FOIP)を提示し、インド太平洋の当事国であるインドとオース

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社会主義社会とは、社会の形態なのか、社会の実体をめざすものか

著者: 岡本磐男

 私は、いわゆる社会主義論の専門家ではない。大学に勤務していた頃は42年間にわたって金融論を講義してきた者である。けれども大学院においてはマルクス経済学者の宇野弘蔵先生を指導教授としてきた。宇野先生は「自分が経済学をやっ

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