スタディルームの執筆一覧

異論なマルクス 宇野「原論」索引Bの意義 岩波文庫版刊行に寄せて

著者: ブルマン!だよね

先般一月に宇野弘蔵「経済原論」が岩波文庫から刊行され、これで「恐慌論」とあわせ宇野の代表的論考二著が文庫本化されたことになる。わが暗黒面の師、竹内靖雄によれば中野正は一流の学者たるものは後世に残るべき代表作として生涯に3

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金聖雄監督 映画「袴田厳 夢の間の世の中」の衝撃−拘禁反応論への反証として

著者: 半澤ひろし

袴田さんの精神疾患 このように映像で袴田さんに会えるとは想像できなかった。金監督は再審開始と死刑及び拘置の執行停止の決定、釈放後の袴田さんの日常をほどよい距離で映している。その映像からは袴田さんの逮捕以来48年の辛苦が感

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異論なマルクス 資本は労働価値説を欲するか?

著者: ブルマン!だよね

まず表題の労働価値説のほうから、議論したいがそのきっかけに、中野「かまってちゃん」@貴州さんからのコメントにお答えし、その流れで論題の前半に入っていきたい。 中野さんの指摘は、基本的にミクロ経済学の短期供給曲線と長期供給

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「法人資本主義」論争について  ―柴垣氏「企業と資本」への疑問―

著者: 河西 勝

西山忠範、奥村宏、柴垣和夫の三者間で、今はなき『経済評論』誌上で、日本の公開会社の特殊性としての「株式持合」を如何に理論的に解明するかという点をめぐって、真剣にして誠に意義深い論争がおこなわれた。もっとも、論争がそのよう

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異論なマルクス   マルクス・スラッファ・客観価値説~小幡道昭氏最終講義に寄せて

著者: ブルマン!だよね

去る3月19日東大経済学部にて、原理論研究の第一人者である小幡道昭氏の、「マルクス経済学を組み立てる」と題する、最終講義が持たれ、私も聴講者の列に加わった。小幡氏は東アジアでの新興資本主義国の台頭を、資本主義の新段階を画

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 北一輝と二つの龍巻―中国革命と2・26事件(4/23現代史研究会レジュメ)

著者: 古賀暹

はじめに   北一輝の研究は様々な形で行われてきたが、それらの研究は北を超国家主義者として扱う視点からのものであり、彼の姿を捉えたものとは必ずしも言うことが出来ない。 1、 北が処刑されるときに、西田税が北に「

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海峡両岸論 第64号 2016.03.12発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(上) 安倍政権の台湾カードを懸念 章念馳がみる台湾と国際関係 -

著者: 岡田 充

中国の上海を3月初め訪れ、台湾問題や東アジア情勢の専門家(写真右 章念馳)と意見交換した。最大の関心事は台湾の政権交代。5月20日にスタートする蔡英文・民主進歩党(民進党)政権への中国の対応と、それが両岸関係にどう影響す

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大川周明と「日本精神」の呼び出し―大川周明『日本文明史』を読む

著者: 子安宣邦

「日本は断乎として落日の欧羅巴に対する従来の過当なる崇拝、畏怖を止め、深く日本精神に沈潜し、無限の努力によって一切の至貴至高なるものを日本の魂其ものの衷より汲取り、一貫徹底これを内外に実現せねばならない。」 大川周明『日

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ヘーゲル法哲学研究  ―回顧と展望―(3.12現代史研レジュメ)

著者: 滝口清栄

はじめに ヘーゲル研究は、とくに七〇年代以降、資料そして同時代の影響史の面での成果をふまえて、形成史的研究の面で充実を見せてきた。ヘーゲルが『精神現象学』を執筆する以前のイェーナ時代は、ヘーゲルが、同時代の哲学的影響関係

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海峡両岸論 第63号 2016.02.07発行 ー 台湾の存在誇示、次期政権へ圧力 馬総統の南沙訪問の意味を解く -

著者: 岡田 充

 台湾の馬英九総統は1月28日、米中が対立する南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)で、台湾が実効支配する太平島(写真 碑を挟んだ左列の右端が馬。総統府HPから)を訪問。南シナ海の台湾領有権を強調するとともに、関係国間の対

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海峡両岸論 第62号 2016.01.20発行 - 中国、緊張回避し安定維持へ 台湾総統選で蔡英文が圧勝 -

著者: 岡田 充

台湾総統選と立法委員選挙が1月16日行われ、民主進歩党(民進党)の 蔡英文候補が予想通り、国民党の朱立倫候補に約300万票の大差をつけ圧勝した。(写真 勝利宣言で支持者に手をふる蔡氏=中国評論新聞HPから)民進党は8年ぶ

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チェルノブイリ30年目の真実と福島  =必読/『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』=

著者: 蔵田計成

はじめに チェルノブイリ原発事故の真相は依然として闇のなかにある。事故が起きた4号炉を覆う石棺のなかに、どれだけの核燃料が残っているのか、だれにも分からない。その原発事故がもたらした被曝災害についても、原因と結果を関連づ

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現代資本主義の危機とマルクス経済学の課題 – 2016.1.23.世界資本主義フォーラム報告要旨

著者: 伊藤誠

現代資本主義は、1973年を境に高度成長期とは様相を異にする危機と再編の長期下降期をむかえている。そこに生じている新自由主義的グローバリゼーションの進展は、金融不安定性、経済格差の再拡大、雇用条件の劣化、福祉政策の後退、

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スピノザ民主制論とマルクス価値形態論 ― マルクスの『神学・政治論』研究の理論射程 ―

著者: 内田弘

マルクスは1841年の学位論文「デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異」執筆のころ、スピノザの『神学・政治論』(1670年、アムステルダム)の再版本(1802~03年、イエナに所収)を読み、『神学・政治論』を

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異論なマルクス 世界資本主義論への基礎視角 岩田弘遺稿集(五味久壽編、批評社)刊行に寄せて

著者: ブルマン!だよね

私は世界資本主義論的アプローチに対しては基本的に断固たる支持者だが、世界資本主義論を岩田から直接にせよ間接にせよ学んだといえるかどうかわからない、というのも私は鈴木鴻一郎編『経済学原理論』から原理論について考えを巡らすよ

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