スタディルームの執筆一覧

海峡両岸論 第120号 2020.11.15発行 - 「新冷戦」思考のリセットは必至 バイデンの対中政策を読む -

著者: 岡田 充

 米国大統領選(11月3日)で、民主党のジョー・バイデン候補(77)が7日勝利宣言(写真 TBSニュースの速報)した。トランプ大統領(74)は敗北を認めず法廷闘争で争う構えだが、逆転は困難だろう。トランプ政権のこの4年、

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中国の「新天下主義」について ―許紀霖『普遍的価値を求める』を読む

著者: 子安宣邦

「世界に影響を与える大国としての中国が今日実現すべきは、民族と国家の復興という夢だけでなく、民族の精神を世界へと方向転換することだ。中国が再建すべきは一国一民族に適した特殊な文化ではなく、人類にとって普遍的価値を有する文

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海峡両岸論 第119号 2020.10.11発行 - 「米中バランス外交」は至難の業 始動した菅外交を読む -

著者: 岡田 充

 菅義偉内閣は、トランプ米大統領(9月20日)、習近平・中国国家主席(9月25日)との電話会談に続き、10月6日には対面による日米豪印の4か国(QUAD)外相会合(写真 =カメラに向かいポーズする4か国外相=外務省HP)

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10月31日・(オンライン)世界資本主義フォーラム・矢沢国光「資本主義国家の成立(2)」のご案内

著者: 矢沢国光

主催 世界資本主義フォーラム 日時 2020年10月31日(土)  午後1時30分~4時30分 ZOOMによるオンライン方式で実施します。 参加方法 (1)どなたも参加できます。参加費500円(あと払い) (2)前日(1

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許紀霖の好著『普遍的価値を求める 中国現代思想の新潮流 』(法政大学出版局、2020年)を批判的に検討する

著者: 岩田昌征

 許紀霖著『普遍的価値を求める 中国現代思想の新潮流 』(中島隆博/王前監訳、法政大学出版局、2020年・令和2年)を一読した。  私=岩田は、本書を全面的に評価する上で必要な現代中国思想界についても、社会思想一般につい

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海峡両岸論 第118号 2020.09.06発行 - 米中の軍事衝突はあるか 南シナ海で「擦槍走火」の危険 -

著者: 岡田 充

 台湾海峡で「第4次海峡危機」とでも呼ぶべき軍事的緊張が走っている。中国の軍事能力の大幅な向上と、トランプ米政権が台湾という中国の「核心利益」に手をつけたのが背景。台湾海峡と南シナ海では、米中双方が大規模な軍事演習を展開

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現在の資本主義経済は、収入が減少した人や失業者となったような社会的弱者を救済しうるだろうか

著者: 岡本磐男

 今日の世界では自由と民主主義の国家というのは、政治的な概念であり、経済的には資本主義であるというのが普通である。  日本もそのような国家であるが、当面日本が最も困難な問題に直面しているとメディアでも注目されている事象は

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海峡両岸論 第117号 2020.08.02発行 - 衰退ニッポンに響いた「戦略的親日」 両岸緊張させた「プリズム政治家」 -

著者: 岡田 充

< 台湾の李登輝元総統(写真「李登輝より日本へ 贈る言葉」表紙)が7月30日、97歳で死去した。国民党の一党支配に幕を引き、民主化を進めた「民主の父」と絶賛の声がメディアでは目立つ。しかし米中、日中対立に乗じ、日米

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方程式としての『資本論』―Gleichungは「等式」ではなく「等置行為=方程式措定」である―

著者: 内田 弘

[注目すべき『資本論』第1部第1章第1節] 『資本論』の冒頭そのものでは、価値は使用価値と同格の前提でない。そうではなくて、「価値」は相異なる「使用価値」の私的交換関係から発生する。したがって、まず使用価値が存在して、そ

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井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 11

著者: 大村泉

新着情報 No. 11 2020年7月17日 良く知られているように、日本金属学会欧文誌編集委員会は2019年3月末、研究不正が疑われた井上明久 元東北大総長を筆頭著者とする複数の論文について、科学的に不適切な箇所を具体

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遮蔽想起としてのレ・シャルメット―ルソー『告白』を読む(後編)

著者: 野島直子

3、隠された反実仮想命題  ところで、この遮蔽想起としてのレ・シャルメットについて、さらに検討していきたいことがある。私が考えるに、この遮蔽想起は、もうひとつの反実仮想命題が隠れている。  先に、フロイトが遮蔽想起に、「

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遮蔽想起としてのレ・シャルメット―ルソー『告白』を読む(前編)

著者: 野島直子

 機会があって、ジャン=ジャック・ルソー著『告白』を読んだ。ルソーは、言うまでもなく、社会思想、教育、文学など様々な分野に「近代」を用意した思想家、作家として知られ、日本においても、民権思想、近代告白文学(私小説)に大き

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海峡両岸論 第116号 2020.07.04発行 - 「新冷戦論」の落とし穴にはまるな コロナ後の世界の2潮流を読む -

著者: 岡田 充

 新型コロナ・パンデミックが続く中、二つの潮流が国際政治を覆っている。第1は米国のグローバル・リーダーからの退場。第2に弱体化した国家の復権である。いずれも以前からあった流れだが、コロナ禍がそれを加速させている。グローバ

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【直前案内】7月4日(土)世界資本主義フォーラム・北原徹「段階論と戦後アメリカ資本主義」

著者: 北原 徹

●新金融資本主義とは? ・新金融資本主義の2本の柱:機関投資家・金融市場の圧力によるコーポレートガバナンスにおける株主価値経営と金融機関・金融市場の動きが実体経済を振り回すこと ・経営者資本主義→新金融資本主義: コーポ

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海峡両岸論 第115号 2020.6.11発行 - 主権防衛に「レッドライン」引く 国家安全法は「反分裂法」の香港版 -

著者: 岡田 充

 北京で開かれていた中国全国人民代表大会(全人代=国会)=写真 多維新聞=は28日、香港独立や政権転覆、外部勢力の介入を禁じる「国家安全法」(国安法)の制定を採択して閉幕した。貿易戦争、台湾、香港、新型コロナウイルスなど

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今後の日本においてインフレーションを惹起することは可能であろうか

著者: 岡本磐男

 現在の日本ではデフレ(物価下落)が進行している。30年前からの平成の時代から大体そうであった。それ故、現在の安倍内閣はアベノミクスなる経済戦略において、まず第1にデフレ脱却を指向したのである。デフレ下においては経済成長

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ドクトル・ジバゴ、プレオブラジェンスキー教授、渋沢敬三大蔵大臣―岩田トリアーデ体系論の立場に立って論ず―

著者: 岩田昌征

NHKBSプレミアム、5月5日13時、偶然に映画『ドクトル・ジバゴ』を観た。米伊合作映画のようだ。 党社会主義崩壊後のポーランドや旧ユーゴスラヴィアにおける革命前所有者に国有化された資産(不動産である土地・建物)を返還す

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コロナ死と自殺―岩田トリアーデ体系論の視点より―

著者: 岩田昌征

『朝日新聞』(5月9日)の「耕論」面に小林慶一郎東京財団政策研究所研究主幹が「人命も経済も第三の道を」なる提言をコロナ禍中経済について行っていた。コロナ起因死に対比させて、経済収縮起因死の自殺の重大性を警告している。そこ

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私有財産制下の大コロナ禍―岩田トリアーデ体系論の視点から―

著者: 岩田昌征

かつて30年前までは、資本主義的市場経済と並んで、ソ連型の社会主義経済とユーゴスラヴィア型の社会主義経済が対抗的に存在していた。今日、ソ連もユーゴスラヴィアも国家として解体されて、もはや存在していない。 ソ連型は、国有財

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GDP信仰と成長崇拝が社会を壊す - 左右のポピュリズムは同根

著者: 盛田常夫

蓮舫議員が「赤字国債は国民の借金」と発信したところ、ネット右翼は即座に反応して、「赤字国債は国民の借金ではなく、政府の借金だ」と蓮舫議員を批判した。政府がどれほど借金しても国民には関係ないのだから、「どんどん赤字国債を発

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海峡両岸論 第114号 2020.5.13発行 - 新型コロナめぐる情報操作の実態 支離滅裂なトランプの陰謀論 -

著者: 岡田 充

 トランプ米政権の新型コロナウイルスに対する言動は終始、一貫性を欠いてきた。コロナ禍をめぐる対中国姿勢を振り返れば、トランプ(写真「武漢起源に自信」と記者会見で協調=テレビ東京)と政権幹部がいかに支離滅裂で、デマに満ちた

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「ケアの共産主義と、何もしないことによる貢献 :何かが起きている(起きる)のだろうか?」 パトリス・マニグリエ(哲学者)Communisme de soin et inactivité contributive : se passe(ra)-t-il quelque chose ? Patrice Maniglier (philosophe)

著者: パトリス・マニグリエ(哲学者):翻訳・村上良太 

  これは、マクロン大統領が語った言葉のタイトルに過ぎません。つまり、この新型コロナウイルスの出現で私たちに不可能と思われていた事態が起こりつつあるのです。そして、逆にまた、昔は常識だったことが、今後は常軌を逸したことに

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