評論・紹介・意見の執筆一覧

先見の明あった演劇「臨界幻想」 -30年前に3・11原発事故を予測-

著者: 岩垂 弘

 2月14日、東京・六本木の俳優座劇場で『臨界幻想2011』を観た。ふじたあさや作・演出による青年劇場の公演だった。初演は1981年だが、2011年3月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて

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書評、ロナルド・ドーア著『日本の転機—米中の狭間でどう生き残るか』(ちくま新書、2012年11月)

著者: 矢吹晋

碩学ドーアさんの新著を紹介したい。北京から一時帰国した友人がいきなり、ヤブキ先生の本をドーアさんが引用していましたよ、と語りかけた。まさか、そんな話は間違いに決まってるよ、とまぜかえしたところ、鞄から『日本の転機』を取り

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ベルリン映画祭「Berlinale2013」について―日本映画界における風潮転換

著者: グローガー理恵

フクシマがまたもやフォーラムでのテーマとなっている。災害が日本映画をどこまで変えたのだろうか?: 池谷薫作「先祖になる(Roots)」は、ある年老いた木こりの話である。彼は実際に何が起こったのかを信じたくない。日本の伝統

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傑出した生協運動家・中澤満正さんを悼む -共同購入に代わる「個配」を創始-

著者: 岩垂 弘

空が澄み切って風が冷たかった日曜日の1月27日、東京都府中市の多磨葬祭場で告別式があった。亡くなったのは元生活協同組合首都圏コープ事業連合(パルシステム生活協同組合連合会の前身)理事長の中澤満正さん。享年68歳。すい臓が

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書評:「猥雑な」イエス伝―小嵐九八郎著『天のお父っと、なぜに見捨てる』

著者: 山川哲

「猥雑」という言葉の本来の意味は「入り混じる」ということだが、この本はあえてそのような視座をとりこんでいるようだ。そして、世間一般に流布している「イエス伝」(新約聖書の世界)を大胆に書き換えて独自に物語化している。もっと

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デフレ不況脱出のカギは賃上げ -企業内部留保の還元を社員にも-

著者: 安原和雄

 信用金庫の経営トップが「デフレ不況脱出のカギは賃上げであり、逆に給与を削減すれば、消費が減り、企業の業績も悪化する」と指摘している。これは大企業経営者たちの「賃上げは、コスト負担増となって経営を圧迫する」という賃金抑制

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デフレ不況脱出のカギは賃上げ -企業内部留保の還元を社員にも-

著者: 安原和雄

 信用金庫の経営トップが「デフレ不況脱出のカギは賃上げであり、逆に給与を削減すれば、消費が減り、企業の業績も悪化する」と指摘している。これは大企業経営者たちの「賃上げは、コスト負担増となって経営を圧迫する」という賃金抑制

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米国産牛肉は本当に安全なのか -TPP関連の「食の規制緩和」の第一弾を検証する-

著者: 岡田幹治

 米国産牛肉の輸入が、2月中旬ごろから急増しそうだ。BSE(牛海綿状脳症)対策として実施されている規制を厚生労働省が2月1日づけで大幅に緩和するからだ。マスメディアは無邪気に牛丼チェーンや流通業界の対応を伝えるだけだが、

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ベルリン国際映画祭開幕 ―60年後の『東京物語』と「3・11」―

著者: 半澤健市

 2013年2月7日から17日まで、第63回「ベルリン国際映画祭2013」が開催される。ベネチア(伊)、カンヌ(仏)と並び、世界三大映画祭の一つと呼ばれる。最近の発展はめざましく「ベネチア」を凌いだという論もある。 日本

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1985年夏・メットで観た「暫」 ―十二代市川団十郎の他界を悼む―

著者: 半澤健市

 1985年8月、十二代目団十郎襲名披露米国公演を観た。 私がみた演し物は、団十郎が主役を演ずる「暫」、「口上」、孝夫(現仁左衛門)・玉三郎の演ずる「色彩間苅り豆」(通称かさね)であった。団十郎の若すぎる他界を知り茫々た

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本間宗究「ちきゅうブッタ斬り」(38)

著者: 本間宗究

1兆ドルのプラチナ硬貨   1月8日のマスコミ報道によると、「ノーベル経済学者のクルーグマン氏」などが、「額面が一兆ドル(約90兆円)のプラチナ硬貨を鋳造し、連邦準備制度に預ける」という案を提唱したそうである。ただし、こ

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【猛抗議を!】規制委・名雪審議官の情報漏えい事件は氷山の一角

著者: 杉原浩司

【原子力規制委員会に猛抗議を!~名雪審議官の情報漏えい事件は氷山の一角】 「原子力ムラ」の変わらぬ体質を露呈させる事件が発覚しました。原子力 規制委員会は2月1日(金)夕方、「緊急会見」を開き、事務方である原子 力規制庁

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新自由主義を考える人の必読書 ―経済生活にもある大量虐殺― 書評 中山智香子著『経済ジェノサイド―フリードマンと世界経済の半世紀』(平凡社)

著者: 半澤健市

《三つの観点からフリードマンをみる》 本書はミルトン・フリードマンを教祖とする新自由主義批判の書である。 見事な出来映えである。気鋭の論客である著者・中山智香子(なかやまちかこ)は1964年生まれ、早稲田大とウィーン大の

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福島県鮫川村焼却炉建設の白紙撤回を石原環境相に要求

著者: グローガー理恵

環境省は、8,000ベクレル/kgを超える高濃度放射性廃棄物を処理するために、福島県の鮫川村に 実験的焼却炉を建設しようとしています。 この問題の詳しい背景については「阿修羅さん」のサイトに転載されています東京新聞の記事

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“日本のサッチャー”荒井なみ子さんを偲ぶ -「平和」と「協同」のために生きた波乱の一生-

著者: 岩垂 弘

 大正、昭和、平成という激動の時代をひたすら「平和」と「協同」のために生きた女性が1月23日、亡くなった。荒井なみ子さん。94歳。その歯に衣着せぬ発言と類い希なたくましい行動力、加えて強烈なリーダーシップから、一部の人か

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悠久のハリエニシダ─ あべ菜穂子の花エッセイ

著者: あべ菜穂子

【イギリス 花もよう  人もよう】 ~イギリスに咲く季節折々の花と、花にまつわる人もよう、歴史、文化をつづります イギリスはいま、強い寒波に見舞われていて、各地で大雪です。ロンドンでも先週、2日間続けて雪が降りました。雪

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日本再生めざして非暴力=平和力を -「いかされている」ことに学ぶとき-

著者: 安原和雄

他人様のお世話にならず、自力で生きたいと想っている人が案外多いのではないだろうか。健気(けなげ)な生き方ともいえるが、この発想には無理がある。人間は独りでは生きられない。自然環境や他人様のお陰で「ともにいきる」のであり、

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輸出大企業栄え、民草苦しむ韓国 -新自由主義政策が「不幸な国」をもたらす-

著者: 岡田幹治

月例世界経済管見 3  2月に就任する朴槿恵・韓国新大統領が、昨年12月の選挙戦で訴え、当選後の第一声でも国民に約束したのは「幸せな国にします!」だった。現在の韓国が国民の多数にとって幸せな国ではないからこそ出てきた公約

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