2010年も間もなく暮れる。国際ニュースの面でもいろいろな出来事があった。近くは北朝鮮による韓国領の延坪島への砲撃事件(11月23日)や韓国哨戒艇「天安」沈没事件(3月26日)に象徴される朝鮮半島の緊張激化、中間選挙でオ
本文を読む評論・紹介・意見の執筆一覧
組合民主主義と非正規労働者の権利を
著者: 松岡宥二最近、東京大学社会科学研究所が日本生産技能労務協会という派遣業の業界団体を通じて、請負社員と派遣社員にアンケートをとったんです。 朝日新聞十月十三日朝刊は「製造業派遣 原則禁止 派遣社員の五五%『反対』『雇用機会増えない
本文を読む六・一五という記号―その夕刻何があったか
著者: 川元祥一ちきゅう座に掲載された「樺美智子さんの〈死の真相〉(60年安保の裏側で)―60年安保闘争50周年 御庄博実」を読んで大きな刺激を受けた。樺美智子さんの司法解剖時の所見を読むのは初めてだ。そして、検察の「人なだれによる死」
本文を読む「司法の危機」から40年
著者: 宇井 宙1970年9月号の『世界』は「危機に立つ司法権の独立」という特集を組み、小林直樹(憲法・法哲学)、高柳信一(憲法・行政法)という2人の東京大学教授(当時、以下同様)の気迫に満ちた論考と、裁判官らによる座談会を掲載してい
本文を読む「主人とドレイ」の関係は深化すべきか ―ドキュメンタリー映画『ANPO』を観て―
著者: 半澤健市89分のドキュメンタリー映画『ANPO』はアメリカの女性映画監督が描いた「安保」像である。同時代人へのインタビューと映像を織り交ぜて見せていく。手法として新奇なものはないが、見ていくうちに私は随所に新鮮な驚きと大きな共感
本文を読む高江「ヘリパット建設」再び、蠢動―連帯・共同ニュース第92号
著者: 9条改憲阻止の会■去る22日未明(午前5時過ぎ)、小康状態にあった沖縄・高江ヘリパット建設反対の闘いをめぐり、大きな動きがあった。とりあえず報告のメールを紹介する。 ■『おはようございます。昨日真暗い早朝5時頃からNー1(ゲート)に50
本文を読む樺美智子さんの「死の真相」 (60年安保の裏側で) ―60年安保闘争50周年
著者: 御庄博実(丸屋 博)はじめに 二〇一〇年四月某日、長崎暢子(旧姓・榎本)先生に会いました。五十年前、安保デモで樺美智子さんと一緒に国会に突入した3名の東大女子学生の一人です。 東大教授(現代史・インド史)を経て、いま龍谷大学の教授です。 長
本文を読む60年安保闘争私史―60年安保闘争50周年に寄せて
著者: 岩田昌征今年は60年安保50周年である。半世紀間顔を合わせたことがなかった山田恭暉氏から様々な50周年記念行事の案内が届いた。また雑誌『情況』のアンケートにも答えた。肝腎の6月15日前後は、義理の叔父、叔母と義母の墓参でパンチェ
本文を読む沖縄の過重な基地負担は本土の無関心と無視から -京都新聞記者がコラムで訴え-
著者: 岩垂 弘米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市に住む知り合いのジヤーナリストから「ぜひ読んでほしい」と、新聞の切り抜きが届いた。沖縄県知事選(11月28日)直後の12月3日付琉球新報に載った記事だ。同知事選の結果について書かれた
本文を読む周回遅れの読書報告(その11)
著者: 脇野町善造東京新聞(2010年6月25日夕刊)で辺見庸がタブッキの「インド夜想曲」の映画版を材料にして記憶のいい加減さを巡る興味深いエッセーを書いている。須賀敦子が訳した『インド夜想曲』は私も知っていた。辺見はこの映画版をかつて
本文を読む権力と情報をめぐって
著者: 三上 治対話風に A ウィキリークスのことが話題になっている。新聞を見ているとそれに間連する記事が必ずといっていいほど載っている。記事内容は様々であるわけでけれど。 三上 そうだね。これは憲法の表現の自由や知る権利ということに関
本文を読む連帯・共同ニュース 12月20日 第91号
著者: 9条改憲阻止の会来年のことをいうと鬼が笑うそうですが、鬼に笑われても夢を語ろう ■ 子供のころのようにお正月を迎えるこころの高ぶりはありません。一家総出の餅つきの光景が思い出されるのですが、そんな光景は今でもあるのでしようか。同じように
本文を読む「企業の社会的責任」を改めて問う -経済同友会主催シンポジウムを聴いて-
著者: 安原和雄企業活動のあり方としてCSR(Corporate Social Responsibility・企業の社会的責任)が問われるようになって久しい。最近では企業とNPOとの協働事業も盛んである。経済団体の一つ、企業経営者個人
本文を読む荊州だより―気ままな写真日記(2)
著者: 土肥誠前回からだいぶ間が空いてしまったが、ようやく第二弾を書き上げた。お時間のある時にでもご高覧いただければ幸いである。 <長江大学で講義をする・つづき> 事務手続きも完了し、使用する教科書も受け取り、いよいよ初日の授業
本文を読む書評:中西正司・上野千鶴子『当事者主権』(岩波新書)
著者: 宇井 宙1. はじめに 中西正司・上野千鶴子『当事者主権』(岩波新書)を読みながら、そこに記された障害者自立生活運動の思想と実践力に感嘆し、その主張の多くに共感しながらも、どこかにかすかな違和感と腑に落ちないもの
本文を読む『スラッファ』に関する岩田氏と〈ブルマン〉氏の議論に寄せて──追加
著者: 片桐幸雄「評論」での『スラッファ』に関する岩田氏と〈ブルマン〉氏の議論のなかの、「価値形態論を生産手段の交換から始めることに意味があるかどうかということ」に関して、拙著『スラッファの謎を楽しむ』の該当箇所を、12月17日に「スタ
本文を読む沖縄の海兵隊について考えたこと
著者: 浅川修史海軍にも陸軍に相当する地上戦を行う部隊がある。戦前の日本海軍には陸戦隊があった。1937年の第二次上海事変では日本租界を国民党軍から守るために戦ったが、兵力に優る国民党軍に圧倒され、拠点をかろうじて守ったが、最後は陸軍
本文を読む書評:鎌田慧『絶望社会』(金曜日)
著者: 宇井 宙本書は鎌田氏が『週刊金曜日』の2005年8月12日号から2007年4月20日号まで「痛憤の現場を歩く」と題して連載した記事29本をまとめたものである。1973年、トヨタ自動車の期間工として働いた経験を記した『自動車絶望
本文を読む周回遅れの読書報告(その10)
著者: 脇野町善造「人には添うて見よ」という。本について言えば、「本は最後まで目を通して見よ」ということになろうか。「添うて見」ても詰まらない人間であることもあるし、最後まで読んでみても面白くもなんともない本であることもある。しかもその確
本文を読むそれでも「東アジア戦争はおこらないだろう」か?
著者: 安東次郎「自国民救出」という古典的な口実 マレン統合参謀本部議長が「米日韓」合同演習を提起すると、日をおかず菅首相が「自衛隊による拉致被害者救出」や「邦人救出のための韓国への自衛隊派遣」に言及した。 「米日韓」合同演習は、朝鮮半
本文を読む元外務審議官の日米安保論とごまかしの手法
著者: 坂井定雄NHKスペシャル「日米安保50年」(12月4,5,18日)は、見ごたえのある力作だった。ことし、新聞、放送はさまざまな“日米安保50年”企画報道やったが、このN スペが最優秀報道の一つではないかと思う。キャスターの国谷裕
本文を読む12月18日:古居みずえ監督作品完成記念トークイベント
著者: 古居みずえパレスチナを忘れないで! ガザ攻撃から2年 古居みずえ監督作品完成記念トークイベント 『ぼくたちは見た ~ガザ・サムニ家の子どもたち~』 ● 『ぼくたちは見た~ガザ・サムニ家の子どもたち~』予告編(特別編集版)上映 ●
本文を読む民族問題、住民問題としての領土問題
著者: 岩田昌征日韓、日中、日台、そして日露の間に領土問題が未解決のままくすぶっている。それでも当該地域に日本人、韓国人、中国人、そしてロシア人が接住しているわけではない。したがって以下に記すような事態は発生していない。海の効用というべ
本文を読む帝国への隷属と国内官僚支配の並立
著者: 浅川修史アメリカ合衆国はしばしば現代のローマ帝国と呼ばれる。これに対する異論は少ない。それでは現代のローマ帝国の属州ともいうべき日本に類似した国は歴史上存在したのか。筆者がちきゅう座の同人と喫茶店で四方山話をしたことがある。そ
本文を読むスラッファ体系と価値形態論
著者: ブルマン!だよね「評論…」でもって岩田昌征氏が片桐幸雄氏「スラッファの謎を楽しむ」の書評をされ、その中で片桐氏が交換比率が技術的確定性から安定している生産手段から、そうでない消費財でなく、価値形態論を説いてはどうかと提起しているのに関し
本文を読む文献紹介 ティムール・ダダバーエフ 『記憶の中のソ連 中央アジアの人々の生きた社会主義時代』
著者: 木村英亮文献紹介 ティムール・ダダバーエフ 『記憶の中のソ連 中央アジアの人々の生きた社会主義時代』、筑波大学出版会、2010.9、 270ページ、3800円 ソ連社会主義の歴史
本文を読む自分らしく21世紀を生きよう! -「企業内サラリーマン」を超えて -
著者: 安原和雄一つの数字が大きな衝撃を広げている。「57.6%」だ。これは厚生労働省と文部科学省が発表した大学生(来春卒業)の就職内定率(10月1日現在)である。調査を始めた1996年以来、過去最低という数字である。「超氷河期」とも
本文を読む読書感想:片桐幸雄著『スラッファの謎を楽しむ』(社会評論社刊)について
著者: 岩田昌征片桐幸雄著『スラッファの謎を楽しむ』(2007年、社会評論社)を著者からいただいた。精読とはいえないまでも通読した。役に立った。面白い。私も1980年前後にスラッファの『商品による商品の生産』を手にし読解を試みたが、途中
本文を読む岩田氏の「小野・岩井理論に見るマーケットの本質的不安定性」によせて
著者: 片桐幸雄岩田昌征氏が「時代をみる」に「小野・岩井理論に見るマーケットの本質的不安定性」を書かれた(11月28日)。岩田氏が取り上げられた小野善康氏の『貨幣経済の動学理論』を読んだことがなく、同書に対する岩田氏の理解についてコメン
本文を読む「友愛」か「博愛」か―fraternitéをめぐる考察
著者: 岩田昌征現代史研究会(2010年12月4日)で専修大学名誉教授内田弘氏の『経済学批判要綱』に関する氏の哲学を拝聴した。私は氏の講義の内部に立ち入ってコメントする学知に欠ける。学ぶのみである。 ここでは、氏が講義の中で若干論じた自
本文を読む