スタディルームの執筆一覧

経済学の貧困と経済学者の劣化(5) -混迷する公的累積債務の理解

著者: 盛田常夫

『週刊現代』(4月8日号)は、ノーベル経済学賞受賞者スティグリッツの講演(経済財政諮問委員会)に言及し、「国の借金1000兆円はウソ」という記事を掲載している。この記事は無署名だが、ほぼ同文の記事が4月6日付け「ダイヤモ

本文を読む

津田・国民思想論・6 武士の時代と「応仁の乱」

著者: 子安宣邦

「しかしこれは武士の地位が高まり、其の力が加わるに伴って生ずる自然の現象であるのみならず、文化が貴族に占有せられていた昔のような有様を一変させて、国民文化の形成に進んでゆく大切な階段である。」 津田左右吉「武士文学の中期

本文を読む

海峡両岸論 第77号 2017.04.02発行 - 「冷たい平和」はさらに続く 台湾優先度低く、蔡も自制 -

著者: 岡田 充

  台北の天候は不順だ。(写真 小雨をついて行われる萬華にある廟の行事 12年3月 筆者撮影)特に3月は雨がじとじと降って寒い日が続いたかと思うと、突然かっと晴れて夏日になる。その3月初め、台北に行った。昨年5

本文を読む

記録と随想13: 「原生的状態」(「農民共同組織」) の理論構成と諸問題――マックス・ヴェーバーにおける「古代国家の発展図式」(『古代農業事情』)が「社会学的決疑論体系」(『経済と社会』旧稿) に再編成される経緯と意義(その1)(2月1日)

著者: 折原浩

*この論文は2月6日に掲載いたしました論文(https://chikyuza.net/archives/69873)の続きになっております。(編集部) [承前] 2 「原生的状態」(「農民共同組織」) の理論構成と諸問題

本文を読む

3/25現代史研究会:ご案内とレジュメ(トランプ大統領問題を考える)

著者: 研究会事務局

第299回現代史研究会 日時:3月25日(水)1:00~5:00 場所:明治大学・駿河台校舎研究棟2階・第9会議室 テーマ: 「トランプ大統領の登場の背景と今後を考える」(仮題) 講師:内田 弘(専修大学名誉教授):トラ

本文を読む

海峡両岸論 第76号 2017.03.04発行 南シナ海を「共同の庭」に 識別圏に反対と中国学者

著者: 岡田 充

   南シナ海紛争をめぐる仲裁裁判所の裁定を受け、中国は一体どんな南シナ海政策を展開するのだろう。南沙(英語名 スプラトリー)諸島の埋め立て地の軍事基地化は継続するのか。フィリピン、ベトナムなど当事国や東南アジ

本文を読む

「思想史講座」のお知らせー3月と4月のご案内 

著者: 子安宣邦

*だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 *3月の思想史講座・論語塾はお休みです。その代わりに思想史的遠足をいたします。 *3月の遠足:岡倉天心美術館・五浦六角堂を訪ねる  日時:3月11日(土) 12時から1

本文を読む

ハンナ・アレント著 「革命について」 ~アメリカ革命を考える~

著者: 村上良太

   革命というと、恐ろしい。それが多くの人にとってのイメージだろう。また革命と言うと、共産主義のイメージもある。それらのイメージの源はルイ16世をギロチンにかけたフランス革命であり、ロマノフ王朝を倒したロシア革命である

本文を読む

「ジョン・ロック著 「統治二論」~政治学屈指の古典~」

著者: 村上良太

  将来、思想統制が行われ、本の選抜と焼却が行われる日が来るとしたら、まず最初に失われる本の中に、英国の近代政治思想家ジョン・ロック(1632-1704)の「統治二論」があるのではなかろうか。思想統制と言えば戦前・戦中の

本文を読む

海峡両岸論 第75号 2017.02.20発行 日中均衡に配慮したトランプ 安保白書に見る中国の意図

著者: 岡田 充

トランプ当選から3か月、ようやくアジア政策の輪郭が見えてきた。10日の日米首脳会談(写真 首相官邸HPから)と9日の習近平・トランプ電話会談を総合すると、トランプ大統領は安保政策で、日本と中国のバランスに注意深く配慮して

本文を読む

「トマス・ホッブズ著 「リヴァイアサン (国家論)」 ~人殺しはいけないのか?~」

著者: 村上良太

  ひところ、若者が「人殺しをしたらなぜいけないのか?」という質問をして、年長者が驚き呆れていたと報じられた。かつてなら、ありえない質問だ、というのである。しかし、英国の政治哲学者トマス・ホッブズ(Thomas Hobb

本文を読む

津田・国民思想論・5 津田の『源氏物語』評価と「国民」概念

著者: 子安宣邦

「恋は光景によって更に数層の深さを増す。恋そのものについては興味の乏しい平安朝人の恋愛に特殊の趣のあるのはこれがためである。只それ画裡の景である。詩中の趣である。われを画裡の男と見、われを詩中の女と見るところに興趣がある

本文を読む

記録と随想12: 敗戦後日本社会科学の二隘路(西洋中心的「単線的発展段階論ないし進化論」による「『民主化』と『戦争』」問題の看過、「政治的ゲマインシャフト行為」における「ゲゼルシャフト結成」の諸階梯としての「経験科学」的「国家論」の欠落)――マックス・ヴェーバーにおける「古代国家の発展図式」(『古代農業事情』)が「社会学的決疑論体系」(『経済と社会』旧稿)に再編成される経緯と意義 (プロレゴーメナ)(1月14日)

著者: 折原浩

はじめに 昨今の社会科学、とりわけ「比較歴史社会学」をめぐる研究状況を顧みると、マックス・ヴェーバー「古代農業事情」(第三版1909、GAzSuWG: 1-288, MWGⅠ/6: 320-747,渡辺金一・弓削達訳『古

本文を読む

経済学の貧困と経済学者の劣化(4) - 労働力人口は成長の決定要因ではないのか―吉川洋著『人口と日本経済』を質す(続)

著者: 盛田常夫

キャッチアップ過程における労働力価値の再評価 (前回に続いて、労働力人口と労働生産性についての吉川洋氏の考え方を検討する) もう1点、吉川氏の議論から完全に欠落している視点がある。それは高度成長期の非常に高いGDP成長率

本文を読む

ウクライナ危機から3年:制裁解除は当然

著者: 塩原俊彦

ウクライナ危機が表面化してから3年が経過する。日本では、ウクライナ危機への関心はすっかり薄れているように感じられる。しかし、ドナルド・トランプ米大統領の登場で、対ロ経済制裁の解除が俎上にあがっており、各国は過去の経済制裁

本文を読む

経済学の貧困と経済学者の劣化(3) - 労働力人口は成長の決定要因ではないのか―吉川洋著『人口と日本経済』を質す

著者: 盛田常夫

 アベノヨイショの「エコノミスト」に共通するのは、政府の累積債務問題と将来の労働力人口減少問題を徹底的に軽視する姿勢である。なぜなら、アベノミクスは、「高い経済成長を復活させることによって、日本経済は再び黄金時代を迎える

本文を読む

海峡両岸論 第74号 2017.01.17発行 脅威論が生む排外主義 「日本ボメ」現象再論

著者: 岡田 充

   排外主義的ナショナリズムが世界で広がっている。イスラム教やヒスパニックを敵視しアメリカ優先を掲げる米トランプ政権、移民排斥を主張する極右が台頭する欧州。米国が推し進めてきた新自由主義グローバリズムが、経済

本文を読む