近代国家が成立して以降、どんな時代にも、どんな国の中にも、愛国心の重要性を叫ぶ思想は存在していた。また、愛国心をイデオロギー的中核とし、自国中心主義を主張する思想も存在していた。それゆえ、日本における反共産主義を基盤とし
本文を読むスタディルームの執筆一覧
情況的発言:安倍と「日本会議」をめぐる2題
著者: 子安宣邦「9条は日本人の文化だ」—この質の悪い寝言 憲法の第9条はすでに日本人の無意識に根差す「文化」なのだから、安倍らによるこの改正の企図は挫折せざるをえないという、きわめて耳障りな寝言が朝日新聞(6月14日)の一面全部を埋め
本文を読む「SGCIME刊行シリーズ完結記念会」のご案内(再)
著者: 河村哲二先日ご案内いたしました、「SGCIME刊行企画(9巻10冊)完結記念祝賀会」につきまして、再度のご連絡です。先日来、同会の準備を進めてきましたが、第Ⅰ部のご講評をいただく方々(5名)が決まり、シンポジウムに近い形にて開催
本文を読む柄谷行人と「帝国」論の隘路 ――ウィットフォーゲルとマルクスの間で(下)
著者: 石井知章8.中国革命と「アジア的復古」 旧帝国で起こった二〇世紀の代表的革命が中国の革命であるが、柄谷にとって「高次の回復」の意味で重要なのは、「近代的」国民国家を目指した孫文の「辛亥革命」ではなく、ここでもまた、それとはまった
本文を読む柄谷行人と「帝国」論の隘路 ――ウィットフォーゲルとマルクスの間で(中)
著者: 石井知章4.交換様式と世界システムの隘路 そもそも柄谷によれば、社会構成体が複数の「交換様式」によって形成されているということは、あくまでもそれが一つの社会構成体であり、かつ現実には単独で存在するのではなく、他の社会構成体との関
本文を読む2016年7月16日報告資料 「ゾルゲ事件と伊藤律――歴史としての占領期共産党」
著者: 加藤哲郎「本稿は以下の催し物の報告資料です。 出版記念シンポジュウムのお知らせ 『父・伊藤律 -ある家族の「戦後」-』(伊藤淳著・講談社) 日 時:7月16日(土) 午後1時~5時 会 場:明治大学リバティタワー 12階 112
本文を読む柄谷行人と「帝国」論の隘路 ――ウィットフォーゲルとマルクスの間で(上)
著者: 石井知章「わがヨーロッパの反動派が、すぐ目の前に迫っているアジアヘの逃亡のさい、ついに万里の長城にたどりつき極反動と極保守主義の堡に通じる門前にたったとき、門の上に次の文字をみないと誰が知ろう――中華共和国・自由、平等、友愛」(
本文を読む二項対立図式の罠
著者: 髭郁彦6月23日に行われた国民投票の結果、イギリスがEUを離脱することが決定した。この結果が政治的、経済的、社会的に見て、計り知れないほどの大きな影響を世界に与えると至る所で語られている。政治学者でも、経済学者でも、社会学者で
本文を読むSGCIME刊行企画(9巻10冊)完結記念祝賀会についてのお願い
著者: 河村哲二今回、SGCIME(マルクス経済学の現代的課題研究会)の出版企画9巻10冊シリーズが完結いたししました。これを記念してSGCIME主催の記念祝賀会を開催をいたす運びとなりました。本シリーズは、1970年代を
本文を読む海峡両岸論 第68号 2016.06.22発行 - 台湾人意識の深層を解剖 「台湾と尖閣ナショナリズム」を推す -
著者: 岡田 充中国の大国化とともに、台湾で「台湾人アイデンティティ」が強まっている。多くの民意調査の結果はそれを裏付けているし、台湾独立を党綱領にうたう民主進歩党(民進党)政権の誕生を、台湾人意識の文脈から説明するメディアも多い。台
本文を読む本日(6/18)現代史研究会:廣松思想の根本概念─関係論と物象化論(ご案内とレジュメ)
著者: 日山紀彦第295回現代史研究会 日時:6月18日(土)1:00~5:00 場所:明治大学・駿河台校舎研究棟2階第9会議室 JR「御茶ノ水」駅から徒歩5分、もしくは都営地下鉄「神保町」駅から徒歩5分 テーマ: 「廣松思想の根本概念
本文を読む海峡両岸論 第67号 2016.06.12発行 - 緊張含みの「冷たい平和」に 蔡英文政権下の台湾海峡 -
著者: 岡田 充台湾新総統に5月20日、民主進歩党(民進党)の女性主席、蔡英文氏が就任した。両岸関係は、国民党の馬英九政権下でこの8年、大幅に改善し台湾海峡に初めて平和的環境をもたらした。だが「台湾独立」を党綱領にうたう民進党の政権奪還
本文を読む博く学び、良く生きること ─貝原益軒における「知」と「養生」・その1
著者: 子安宣邦1 益軒学ー近世的知の形成 1−1 伝記における益軒 今では貝原益軒(1630〜1714)の名を人は『養生訓』の著者としてのみ知るだけだろう。江戸時代、益軒とは世に並ぶもののない博学知識の学者として知られていた。だが益軒
本文を読む「賢者は乱世を去る」という思想
著者: 子安宣邦『論語』憲問篇に次のような章がある。「子曰く、賢者は世を辟(さ)く。その次は地を辟く。その次は色を辟く。その次は言を辟く。」私はこれをこう現代語訳した。「孔子がこういわれた。賢者は無道の世を避け、身を隠すものである。それ
本文を読む海峡両岸論 第66号 2016.05.12発行 - 南沙紛争と連動させ反論展開へ 沖ノ鳥島、台湾主張の背景 -
著者: 岡田 充「島」をめぐる東アジアの紛争が拡大している。今度は西太平洋の沖ノ鳥島をめぐる争いである。海上保安庁が4月末、沖ノ鳥島南東の日本の排他的経済水域(EEZ)で台湾漁船を拿捕した事件を機に、台湾の馬英九政権が「同島は岩であ
本文を読む閉ざされた正義論―トッド理論の暗点について
著者: 髭郁彦エマニュエル・トッドの『シャルリとは誰か?』(原書はQui est Charlie?, Édition du Seuil, 2015) が今年の1月後半に文藝春秋社から発刊されて以降、この本に対する評価が日本で高まってい
本文を読む岩田革命理論の原像と転形 5.14世界資本主義フォーラム報告レジュメ
著者: 青山雫世界革命論から新産業革命=新資本主義論への断絶的連続転形に関する一考察 独自の労働力商品化「矛盾」規定 宇野 資本が商品として生産できない。本来商品ではないものを商品化する。資本主義的人口法則。 岩田
本文を読む書評・ウルリケ・ヘルマン『資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばか りいるのか』
著者: 矢沢国光*『資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか』ウルリケ・ヘルマン著 猪股和夫(訳)太田出版2015.10 2008金融恐慌から8年たった今日でも、未だ「世界金融バブル」は収束していないのではないか?世界はあ
本文を読む異論なマルクス ブラック=ショールズ方程式と金融バブル
著者: ブルマン!だよね世界資本主義フォーラム主催で、4月30日に信州大学の吉村信之氏を講師に、《「ドル本位制下」の金融危機》と題して講演があった。 吉村氏の講演は、1971年のドル金兌換停止を境にして、それ以前の金本位制と以後のドル本位制との
本文を読むもう一つのフランスー野沢協氏追悼
著者: 子安宣邦ピエール・ベール著作集の個人全訳を成し遂げた野沢協さんが亡くなったのは昨年11月18日であった。私はその死を知らなかった。東大の仏文時代の旧友松原雅典からの年賀状によってはじめて私は彼の死を知った。なぜ私はその死を知らな
本文を読む異論なマルクス ヘーゲル弁証法ノ転倒トハ? 「観念論」ナル烙印ニタイスル、マルクス氏ノ憤然タル反論
著者: ブルマン!だよねマルクスのヘーゲル弁証法への言及を、経済学批判から資本論にかけて、思い浮かぶ範囲で拾い上げて、少しその「転倒」、マルクスの批判的摂取について考察してみよう。そうすることで、マルクス以後に現れた、例えばロシアマルクス主義の
本文を読む4.30世界資本主義フォーラム 内容紹介 「ドル本位制」下の金融危機
著者: 吉村信之今回の報告は、①以前の拙稿(「世界貨幣と国際通貨」SGCIME編『金融システムの変容と危機』2004)で明らかにした変動相場制移行の「ドル本位制」の構造を、その歴史的生成にも関説しながら概観すること、②拙稿公表以降に出来
本文を読むいま「大正」を読み直す
著者: 子安宣邦『「大正」を読み直す』 藤原書店 2016年5月10日刊 「「大正」を読み直すことは、「昭和」を、戦前の「昭和」だけではない、戦後の「昭和」をも読み直すことになるだろう」と、本書・序章の最後に私は書いた。大正前夜の「大逆
本文を読む書評 岩田弘遺稿集 追悼の意を込めて 「コミューン革命」論への軌跡 「資本主義と国家の廃棄」を追求し続けた岩田弘
著者: 矢沢国光『岩田弘遺稿集─追悼の意を込めて』五味久壽編 A5判、424頁ページ、批評社 2015年12月発行 3800+税円 岩田弘が2012年1月に八二歳で逝去されて4年になる。本書の刊行が、岩田がわたしたちに残した大きな課題を
本文を読む北一輝と二つの龍巻―中国革命と2・26事件(現代史研究会用レジュメ-補足修正版)
著者: 古賀暹はじめに 北一輝の研究は様々な形で行われてきたが、それらの研究は北を超国家主義者として扱かう視点からのものであり、彼の姿を捉えたものとは必ずしも言うことが出来ない。私は前著『北一輝―革命思想として読む』に於いて、この点に
本文を読む4/23現代史研究会のご案内
著者: 研究会事務局熊本、大分でまだ続いている大地震は、確実に九州一帯が(あるいは、日本全土が)「大地動乱の時代」に入ったことを示しているのではないかと思われます。それにもかかわらず、政府も九州電力も、また原子力安全委員会も、鹿児島県の川内
本文を読む「世に媚びてはいない、独善家をにくむからだ」
著者: 子安宣邦『論語』憲問篇に諸国を巡遊して忙しい孔子を批判する微生畝の言葉とそれに答える孔子の言葉がある。 「微生畝(びせいほ)、孔子に謂いて曰く、丘、何をか為す。是れ栖栖(せいせい)たる者か。乃ち佞(ねい)を為すこと無からんや。孔
本文を読む「皇紀2676年」
著者: 宇波彰このブログに載せた「扶余の記憶」で、私は戦時中に朝鮮の扶余(プヨ、百済の最後の都のあったところ)に、「扶余神宮」建設の計画があったが実現はされなかったと書いた。しかし、その後数冊の文献に当たってみると、作られたという説、
本文を読む『ロシア革命100年の教訓:社会主義の嘘』
著者: 塩原俊彦2016年4月下旬に拙著『プーチン露大統領とその仲間たち:私が「KGB」に拉致された背景』を社会評論社から刊行する。筆者は2月20日、モスクワで「KGB」の後継機関である「FSB」(連邦保安局)によって拉致され、4時間に
本文を読む海峡両岸論 第65号 2016.04.8発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(下) 危険な安部の台湾への過剰関与面は「冷たい平和」維持か -
著者: 岡田 充台湾政権交代は、馬英九政権下で平和と安定を維持してきた北京と台北の関係にどんな変化をもたらすのか。当面の焦点は5月20日に迫った総統就任式での演説。蔡英文の新しい対中政策と北京の反応は、両岸関係だけでなく東アジア情勢全
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