スタディルームの執筆一覧

海峡両岸論 第67号 2016.06.12発行 - 緊張含みの「冷たい平和」に 蔡英文政権下の台湾海峡 -

著者: 岡田 充

台湾新総統に5月20日、民主進歩党(民進党)の女性主席、蔡英文氏が就任した。両岸関係は、国民党の馬英九政権下でこの8年、大幅に改善し台湾海峡に初めて平和的環境をもたらした。だが「台湾独立」を党綱領にうたう民進党の政権奪還

本文を読む

博く学び、良く生きること ─貝原益軒における「知」と「養生」・その1

著者: 子安宣邦

1 益軒学ー近世的知の形成 1−1 伝記における益軒 今では貝原益軒(1630〜1714)の名を人は『養生訓』の著者としてのみ知るだけだろう。江戸時代、益軒とは世に並ぶもののない博学知識の学者として知られていた。だが益軒

本文を読む

海峡両岸論 第66号 2016.05.12発行 - 南沙紛争と連動させ反論展開へ 沖ノ鳥島、台湾主張の背景 -

著者: 岡田 充

  「島」をめぐる東アジアの紛争が拡大している。今度は西太平洋の沖ノ鳥島をめぐる争いである。海上保安庁が4月末、沖ノ鳥島南東の日本の排他的経済水域(EEZ)で台湾漁船を拿捕した事件を機に、台湾の馬英九政権が「同島は岩であ

本文を読む

書評・ウルリケ・ヘルマン『資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばか りいるのか』

著者: 矢沢国光

*『資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか』ウルリケ・ヘルマン著 猪股和夫(訳)太田出版2015.10 2008金融恐慌から8年たった今日でも、未だ「世界金融バブル」は収束していないのではないか?世界はあ

本文を読む

異論なマルクス ブラック=ショールズ方程式と金融バブル

著者: ブルマン!だよね

世界資本主義フォーラム主催で、4月30日に信州大学の吉村信之氏を講師に、《「ドル本位制下」の金融危機》と題して講演があった。 吉村氏の講演は、1971年のドル金兌換停止を境にして、それ以前の金本位制と以後のドル本位制との

本文を読む

異論なマルクス ヘーゲル弁証法ノ転倒トハ? 「観念論」ナル烙印ニタイスル、マルクス氏ノ憤然タル反論

著者: ブルマン!だよね

マルクスのヘーゲル弁証法への言及を、経済学批判から資本論にかけて、思い浮かぶ範囲で拾い上げて、少しその「転倒」、マルクスの批判的摂取について考察してみよう。そうすることで、マルクス以後に現れた、例えばロシアマルクス主義の

本文を読む

4.30世界資本主義フォーラム 内容紹介 「ドル本位制」下の金融危機

著者: 吉村信之

今回の報告は、①以前の拙稿(「世界貨幣と国際通貨」SGCIME編『金融システムの変容と危機』2004)で明らかにした変動相場制移行の「ドル本位制」の構造を、その歴史的生成にも関説しながら概観すること、②拙稿公表以降に出来

本文を読む

書評 岩田弘遺稿集 追悼の意を込めて 「コミューン革命」論への軌跡 「資本主義と国家の廃棄」を追求し続けた岩田弘

著者: 矢沢国光

『岩田弘遺稿集─追悼の意を込めて』五味久壽編 A5判、424頁ページ、批評社 2015年12月発行 3800+税円 岩田弘が2012年1月に八二歳で逝去されて4年になる。本書の刊行が、岩田がわたしたちに残した大きな課題を

本文を読む

北一輝と二つの龍巻―中国革命と2・26事件(現代史研究会用レジュメ-補足修正版)

著者: 古賀暹

はじめに 北一輝の研究は様々な形で行われてきたが、それらの研究は北を超国家主義者として扱かう視点からのものであり、彼の姿を捉えたものとは必ずしも言うことが出来ない。私は前著『北一輝―革命思想として読む』に於いて、この点に

本文を読む

海峡両岸論 第65号 2016.04.8発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(下) 危険な安部の台湾への過剰関与面は「冷たい平和」維持か -

著者: 岡田 充

 台湾政権交代は、馬英九政権下で平和と安定を維持してきた北京と台北の関係にどんな変化をもたらすのか。当面の焦点は5月20日に迫った総統就任式での演説。蔡英文の新しい対中政策と北京の反応は、両岸関係だけでなく東アジア情勢全

本文を読む

異論なマルクス 宇野「原論」索引Bの意義 岩波文庫版刊行に寄せて

著者: ブルマン!だよね

先般一月に宇野弘蔵「経済原論」が岩波文庫から刊行され、これで「恐慌論」とあわせ宇野の代表的論考二著が文庫本化されたことになる。わが暗黒面の師、竹内靖雄によれば中野正は一流の学者たるものは後世に残るべき代表作として生涯に3

本文を読む

金聖雄監督 映画「袴田厳 夢の間の世の中」の衝撃−拘禁反応論への反証として

著者: 半澤ひろし

袴田さんの精神疾患 このように映像で袴田さんに会えるとは想像できなかった。金監督は再審開始と死刑及び拘置の執行停止の決定、釈放後の袴田さんの日常をほどよい距離で映している。その映像からは袴田さんの逮捕以来48年の辛苦が感

本文を読む

異論なマルクス 資本は労働価値説を欲するか?

著者: ブルマン!だよね

まず表題の労働価値説のほうから、議論したいがそのきっかけに、中野「かまってちゃん」@貴州さんからのコメントにお答えし、その流れで論題の前半に入っていきたい。 中野さんの指摘は、基本的にミクロ経済学の短期供給曲線と長期供給

本文を読む

「法人資本主義」論争について  ―柴垣氏「企業と資本」への疑問―

著者: 河西 勝

西山忠範、奥村宏、柴垣和夫の三者間で、今はなき『経済評論』誌上で、日本の公開会社の特殊性としての「株式持合」を如何に理論的に解明するかという点をめぐって、真剣にして誠に意義深い論争がおこなわれた。もっとも、論争がそのよう

本文を読む

異論なマルクス   マルクス・スラッファ・客観価値説~小幡道昭氏最終講義に寄せて

著者: ブルマン!だよね

去る3月19日東大経済学部にて、原理論研究の第一人者である小幡道昭氏の、「マルクス経済学を組み立てる」と題する、最終講義が持たれ、私も聴講者の列に加わった。小幡氏は東アジアでの新興資本主義国の台頭を、資本主義の新段階を画

本文を読む

 北一輝と二つの龍巻―中国革命と2・26事件(4/23現代史研究会レジュメ)

著者: 古賀暹

はじめに   北一輝の研究は様々な形で行われてきたが、それらの研究は北を超国家主義者として扱う視点からのものであり、彼の姿を捉えたものとは必ずしも言うことが出来ない。 1、 北が処刑されるときに、西田税が北に「

本文を読む