はじめに 北一輝の研究は様々な形で行われてきたが、それらの研究は北を超国家主義者として扱かう視点からのものであり、彼の姿を捉えたものとは必ずしも言うことが出来ない。私は前著『北一輝―革命思想として読む』に於いて、この点に
本文を読むスタディルームの執筆一覧
4/23現代史研究会のご案内
著者: 研究会事務局熊本、大分でまだ続いている大地震は、確実に九州一帯が(あるいは、日本全土が)「大地動乱の時代」に入ったことを示しているのではないかと思われます。それにもかかわらず、政府も九州電力も、また原子力安全委員会も、鹿児島県の川内
本文を読む「世に媚びてはいない、独善家をにくむからだ」
著者: 子安宣邦『論語』憲問篇に諸国を巡遊して忙しい孔子を批判する微生畝の言葉とそれに答える孔子の言葉がある。 「微生畝(びせいほ)、孔子に謂いて曰く、丘、何をか為す。是れ栖栖(せいせい)たる者か。乃ち佞(ねい)を為すこと無からんや。孔
本文を読む「皇紀2676年」
著者: 宇波彰このブログに載せた「扶余の記憶」で、私は戦時中に朝鮮の扶余(プヨ、百済の最後の都のあったところ)に、「扶余神宮」建設の計画があったが実現はされなかったと書いた。しかし、その後数冊の文献に当たってみると、作られたという説、
本文を読む『ロシア革命100年の教訓:社会主義の嘘』
著者: 塩原俊彦2016年4月下旬に拙著『プーチン露大統領とその仲間たち:私が「KGB」に拉致された背景』を社会評論社から刊行する。筆者は2月20日、モスクワで「KGB」の後継機関である「FSB」(連邦保安局)によって拉致され、4時間に
本文を読む海峡両岸論 第65号 2016.04.8発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(下) 危険な安部の台湾への過剰関与面は「冷たい平和」維持か -
著者: 岡田 充台湾政権交代は、馬英九政権下で平和と安定を維持してきた北京と台北の関係にどんな変化をもたらすのか。当面の焦点は5月20日に迫った総統就任式での演説。蔡英文の新しい対中政策と北京の反応は、両岸関係だけでなく東アジア情勢全
本文を読む異論なマルクス 宇野「原論」索引Bの意義 岩波文庫版刊行に寄せて
著者: ブルマン!だよね先般一月に宇野弘蔵「経済原論」が岩波文庫から刊行され、これで「恐慌論」とあわせ宇野の代表的論考二著が文庫本化されたことになる。わが暗黒面の師、竹内靖雄によれば中野正は一流の学者たるものは後世に残るべき代表作として生涯に3
本文を読む「江戸思想」を再び読むための序章
著者: 子安宣邦日本の近世社会の幕開けとともに儒教(儒学)は公開的な学問・知識となった。学問や知識が中世的制約から放れて公開され、その講究と伝達の自由を支配・被支配の区別を超えて基本的に獲得する体験を、日本は明治近代にいたってはじめて体
本文を読む金聖雄監督 映画「袴田厳 夢の間の世の中」の衝撃−拘禁反応論への反証として
著者: 半澤ひろし袴田さんの精神疾患 このように映像で袴田さんに会えるとは想像できなかった。金監督は再審開始と死刑及び拘置の執行停止の決定、釈放後の袴田さんの日常をほどよい距離で映している。その映像からは袴田さんの逮捕以来48年の辛苦が感
本文を読むピキテーの「経営者の社会」のために
著者: 河西 勝バーナム(1941、武山訳1965)『経営者革命』によれば、経営者支配の社会とは、資本主義社会でもなく社会主義社会でもない。経営者革命による社会的移行は、資本主義的、ブルジョア的とよばれる型の社会から、経営者的と呼ばれる
本文を読む茅ヶ崎海岸からのクラウゼンの送信について
著者: 渡部富哉筆者の茅ヶ崎海岸からのクラウゼンの極秘電報の発信について、マーダー、シュフリック、ベーネルト共著『ゾルゲ諜報秘録』(朝日新聞社1967年)によると、「クラウゼンは彼の日本配置の間ボートあるいは船から送信したと主張する人々
本文を読む13年目の伊勢神宮
著者: 子安宣邦私が「国家神道」をめぐる論文を雑誌『現代思想』に連載していったのは2003年の7月号からであった。この「国家神道」をめぐる論文の執筆は、当時の小泉首相による公然たる靖国参拝という自国民とアジアの隣人たちに対する挑発行為に
本文を読む異論なマルクス 資本は労働価値説を欲するか?
著者: ブルマン!だよねまず表題の労働価値説のほうから、議論したいがそのきっかけに、中野「かまってちゃん」@貴州さんからのコメントにお答えし、その流れで論題の前半に入っていきたい。 中野さんの指摘は、基本的にミクロ経済学の短期供給曲線と長期供給
本文を読む「法人資本主義」論争について ―柴垣氏「企業と資本」への疑問―
著者: 河西 勝西山忠範、奥村宏、柴垣和夫の三者間で、今はなき『経済評論』誌上で、日本の公開会社の特殊性としての「株式持合」を如何に理論的に解明するかという点をめぐって、真剣にして誠に意義深い論争がおこなわれた。もっとも、論争がそのよう
本文を読む異論なマルクス マルクス・スラッファ・客観価値説~小幡道昭氏最終講義に寄せて
著者: ブルマン!だよね去る3月19日東大経済学部にて、原理論研究の第一人者である小幡道昭氏の、「マルクス経済学を組み立てる」と題する、最終講義が持たれ、私も聴講者の列に加わった。小幡氏は東アジアでの新興資本主義国の台頭を、資本主義の新段階を画
本文を読む北一輝と二つの龍巻―中国革命と2・26事件(4/23現代史研究会レジュメ)
著者: 古賀暹はじめに 北一輝の研究は様々な形で行われてきたが、それらの研究は北を超国家主義者として扱う視点からのものであり、彼の姿を捉えたものとは必ずしも言うことが出来ない。 1、 北が処刑されるときに、西田税が北に「
本文を読む「思想史講座」のお知らせー4月のご案内
著者: 子安宣邦*思想史講座ー「江戸思想」と「昭和思想」を読む だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 前期(4月〜9月)は「江戸思想」を、後期(10月〜2月)は「昭和思想」を読みます。 福沢諭吉は明治の変革に際し、「一身
本文を読む海峡両岸論 第64号 2016.03.12発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(上) 安倍政権の台湾カードを懸念 章念馳がみる台湾と国際関係 -
著者: 岡田 充中国の上海を3月初め訪れ、台湾問題や東アジア情勢の専門家(写真右 章念馳)と意見交換した。最大の関心事は台湾の政権交代。5月20日にスタートする蔡英文・民主進歩党(民進党)政権への中国の対応と、それが両岸関係にどう影響す
本文を読む大川周明と「日本精神」の呼び出し―大川周明『日本文明史』を読む
著者: 子安宣邦「日本は断乎として落日の欧羅巴に対する従来の過当なる崇拝、畏怖を止め、深く日本精神に沈潜し、無限の努力によって一切の至貴至高なるものを日本の魂其ものの衷より汲取り、一貫徹底これを内外に実現せねばならない。」 大川周明『日
本文を読む「春三月縊り残され花に舞う」
著者: 子安宣邦暦が三月になるとともに、いや三月になる一、二週間も前から大杉栄の句「春三月縊り残され花に舞う」がしきりに口の端に上ってきた。やがて春だという今年の私の意識はなぜか大杉のあの句とともにある。 明治四三年(一九一〇)夏、大杉
本文を読むヘーゲル法哲学研究 ―回顧と展望―(3.12現代史研レジュメ)
著者: 滝口清栄はじめに ヘーゲル研究は、とくに七〇年代以降、資料そして同時代の影響史の面での成果をふまえて、形成史的研究の面で充実を見せてきた。ヘーゲルが『精神現象学』を執筆する以前のイェーナ時代は、ヘーゲルが、同時代の哲学的影響関係
本文を読む「思想史講座」のお知らせー春からの構想
著者: 子安宣邦3月はお休みです。4月からの新学期を新しい構想で始めたいと思います。 *思想史講座—関東京教室・大阪教室 「大正を読む」として続けてきた思想史講座は、この2月の「大川周明と日本精神 の呼び出し」をもってひとまず
本文を読む「リフレ」の自縄自縛に陥った黒田日銀
著者: 矢沢国光1 「円安・株高」は、安倍政権の唯一最大の応援団だ。ところが、円安が円高に振れ、円高が株価を暴落させている。その直接のきっかけは、皮肉にも、「円安・株高」を演出してきた安倍政権の盟友・黒田日銀の「マイナス金利」であった。
本文を読む2.11「資本主義はどこへ?」研究会の映像公開
著者: 古沢広祐*2月11日に國學院大学で行われた公開研究会(シンポジウム)が映像化され、公開されました。当日は超満員の参加者で、大変盛況でした。その模様は以下の動画でご覧ください。(ちきゅう座編集部) 2.11公開研究会、参加できなか
本文を読む海峡両岸論 第63号 2016.02.07発行 ー 台湾の存在誇示、次期政権へ圧力 馬総統の南沙訪問の意味を解く -
著者: 岡田 充台湾の馬英九総統は1月28日、米中が対立する南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)で、台湾が実効支配する太平島(写真 碑を挟んだ左列の右端が馬。総統府HPから)を訪問。南シナ海の台湾領有権を強調するとともに、関係国間の対
本文を読む『叢書ヒドラ』(お茶の水書房)創刊号の紹介です
著者: 中村勝己『叢書ヒドラ――批評と運動』第一号が創刊された。 「ヒドラ刊行宣言」には、次のようにある。「わたしたちは、現在の日本の状況を「社会総体が資本のもとへと、排除されつつ包摂されている」ような事態として捉える。本書は、以上のよ
本文を読む岩田昌征さんのコメント(1月24日付け)に応えて
著者: 柴垣和夫1)日本的経営・生産システム(会社主義)の評価について 私は、岩田さんが引用されていた鍵山整充著『企業および企業人』(白桃書房、1977年)を読んでいませんが、戦後の第一世代から1970年代頃までの経営者には、このような
本文を読む丸山の「超国家主義」論は何を見逃したか
著者: 子安宣邦丸山眞男「超国家主義の論理と心理」を読む 「かくて我らは私生活の間にも天皇に帰一し、国家に奉仕するの念を忘れてはならぬ」(臣民の道)といっているが、こうしたイデオロギーはなにも全体主義の流行と共に現われ来たったわけではな
本文を読むゾルゲ事件とヴケリッチの真実(2/2)
著者: 渡部富哉*長文にわたるため、編集部で2回の掲載に分割いたしましたことをご了承ください。(ちきゅう座編集部) 第9回 ゾルゲ事件 国際シンポジューム 於 オーストラリア・シドニー工科大学 2015年12月4日 「ブランコ・ヴケ
本文を読むゾルゲ事件とヴケリッチの真実(1/2)
著者: 渡部富哉*長文にわたるため、編集部で2回の掲載に分割いたしましたことをご了承ください。(ちきゅう座編集部) 第9回 ゾルゲ事件 国際シンポジューム 於 オーストラリア・シドニー工科大学 2015年12月4日 渡部富哉 1)語学の
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